令和6年度 熊本市立熊本市民病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,056   301   303  428  530   611 1,153 1,749 1,598   673
令和6年6月1日から令和7年5月31までの退院患者の人数を年齢階級別(10歳刻み)に集計しています。年齢は入院時の満年齢です。当該期間の当院退院患者数は、8,402名であり、特に多い年代は60歳代~90歳代で全体の約60%を占めております。10歳未満の小児患者さんは、1,056名と全体の約12%を占めています。これは、当院は、新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit)や新生児治療回復室(Growing Care Unit)、小児病棟を有しており高度で緊急性の高い小児疾患を受け入れているためです。また、感染症指定医療機関として、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ実績がありますが、診断群分類(DPC包括)に該当しないため退院患者数には含まれておりません。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
新生児内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし    53   8.32   6.11   7.55    0.00
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等21あり    34  11.82   10.60   2.94    0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし    26  11.77   11.83  11.54    0.00
140010x299x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等21あり     ‐     ‐   23.19     ‐     ‐
140010x497x4xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1000g未満) 手術あり 手術・処置等24あり     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
当院新生児センターには、年間350例ほどの入院があります。その中では、一般的にNICUに入院となる疾患の中で最も多い、正期産児の呼吸障害等が多くを占め、人工呼吸等の処置を必要とする児も多数入院します。また当院には2,500g未満の低出生体重児も多数入院します。低出生体重児を診療できる施設は熊本県内に当院以外にもありますが、当院の大きな役割の一つとして、低出生体重児の中でも特に未熟性の強い1000g未満の児の診療があります。より体重の大きい児に比べるとその数は多くはありませんんが、県内で生まれる未熟性の強い児は主に当院に集中しており、これらの未熟性の強い児は退院までに数カ月間の集中治療が必要となります。また当院では、新生児の手術に熟練した小児心臓外科医、小児外科医、脳神経外科医、耳鼻科医、泌尿器科医、眼科医等と連携し出生したばかりの赤ちゃんの心臓や腸管などの手術を行うことが出来ます。特に、心臓の手術が出来る施設は、九州内でも限られており県外からも当院へ運ばれてくることもあります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    34   5.91   6.38   0.00   2.09
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし    28   9.39  20.78   0.00   4.36
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし    23   5.78   5.61   0.00   5.22
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)    23   5.30   6.22   0.00   0.87
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり    20   1.10   2.10   0.00   3.05
「喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし」
喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒュー)、咳嗽、呼吸困難を主訴とする発作性の呼吸器疾患です。気管支拡張薬の吸入治療や全身性ステロイド薬の点滴投与などを行います。
「誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし」
唾液や口腔内に逆流した胃内容物を、気道に吸い込んでしまうことで発症する気管支・細気管支・肺胞の炎症性疾患です。重症心身障害のお子さんにおこりやすい病気です。治療は抗菌薬投与、吸入治療を行います。症状の重篤さにあわせて酸素療法、全身性ステロイド薬の点滴投与、排痰補助装置を用いて気管内分泌物の管理を行います。
「肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 」
発熱や咳嗽・呼吸困難を主症状とする、肺胞にまで炎症性変化が起こった呼吸器感染症です。抗菌薬治療や酸素療法、吸入治療を行います。必要に応じて、呼吸補助装置を用いて呼吸を助けます。
「急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他」
発熱や咳嗽・喘鳴を主症状とする、のどより末梢の呼吸器感染症です。呼吸困難を伴うこともあり、抗菌薬治療以外に酸素療法や吸入治療を行います。
「食物アレルギー 手術・処置等1あり」
食物アレルギーとは、食べ物を摂取した後に、蕁麻疹などの皮膚症状、咳嗽・喘鳴などの呼吸器症状、腹痛・嘔吐などの消化器症状といった症状が誘発される状態です。  経口負荷試験を行い、どの食べ物によるのか、どの程度食べられるのかを確認します。





小児循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)    33   5.91   6.22   0.00   1.33
14031xx19910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし    22   4.00   4.71   0.00   0.00
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    19   6.37   6.38   0.00   2.63
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし    14   3.93   3.93   0.00   9.00
14031xx101x11x 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 大血管転位症手術 大血管血流転換術(ジャテーン手術)等 手術・処置等2あり 定義副傷病あり    14  69.93     ‐  14.29   0.00
当院では熊本県内で唯一、小児心臓外科による先天性心疾患の手術を行っています。様々な先天性心疾患の治療を小児心臓外科、新生児科、小児科などと協力して行っております。それ以外の不整脈、心筋症、川崎病冠動脈病変などの心疾患の診療も行っております。また様々な小児の患者様の感染症などの診療も小児科と協力して行っております。当科では、心臓カテーテル検査および治療を多く行っております。胎児の診療も産婦人科と協力して行っております。胎児期から成人期まで幅広い年齢層に対する診療を継続して行っているのが当科の特徴です。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等    27   2.85   2.73   0.00   4.26
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり    27   3.19   2.96   0.00   3.19
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし    21   3.14   7.67   0.00   6.57
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病なし    15   2.93   6.85   0.00   4.67
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等    10   6.30   5.32   0.00  11.90
小児外科の患者・手術件数は、胎児期の鼠径部の腹膜開存が残るという軽度な先天異常である鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)が最も多く、件数は出生数の減少に伴い緩やかに減少傾向です。 
精巣に関する疾患は、その発生過程で胎児期に精巣が腹部から鼠径・陰嚢へと下降するという複雑な経過が関連しており、下降が途中で止まったり(停留精巣)萎縮したり、陰嚢への固定が不良であることから鼠径部とを行き来したりねじれたり(精巣捻転)といった様々な障害が発生するためこれに対応した処置が必要となります。
胃腸の疾患は多く、嘔吐の原因として胃食道逆流症がうたがわる患児にpHモニターという検査を行ったり、栄養路として十二指腸以遠にチューブを留置したり、重度の便秘に対し全身麻酔下の注腸や摘便、外科的疾患のないことを確認する検査などを行うことがあります。 
臍ヘルニアは、臍帯脱落後の臍部の筋膜が閉鎖されないことによるおへその脱腸で、1~2歳を過ぎると自然治癒が期待できないため手術適応となります。
虫垂炎は盲腸の先端にある細い行き止まりの腸が感染・炎症を起こすもので、軽い場合はいわゆる“薬でちらす”こともできますが、重症のものや破れるリスクがある場合は手術を行うことがあります。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし    49   14.22   16.94   67.35   75.96
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし    35   14.40   16.89   62.86   77.37
010060xx99x21x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病あり     -     -   30.25     -     -
010060xx99x41x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり     -     -   29.66     -     -
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2なし     -     -    6.31     -     -
脳梗塞は、脳卒中の一種です。脳卒中には、脳血管が閉塞して脳が壊死してしまう脳梗塞と脳血管が破れて脳にダメージが及ぶ脳出血があります。
緊急対応を要する急性期脳梗塞に対しては、24時間体制で診療しています。CTやMRI、血液検査では、D-dimerやBNPなどの検査にも終日対応でき、脳卒中学会認定1次脳卒中センターの認定も受けています。超急性期治療に続く、各種血管疾患のリスク管理や急性期リハビリテーションも充実しています。さらに、回復期リハビリテーションが必要な患者様には、近隣のリハビリテーション病院と連携することで、継ぎ目のない医療を提供することができます。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし   191   16.14   20.78   63.87   85.87
0400802299x000 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア0    33    9.03    8.13    0.00   42.09
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし    28   16.29   16.40   28.57   83.82
040110xxxx00xx 間質性肺炎 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし    27   14.56   18.68   33.33   75.89
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり    21    2.00    2.02    0.00   52.24
「誤嚥性肺炎」「75歳以上の肺炎」は肺炎診療ガイドラインに基づいて抗菌薬を選択し、治療しています。高齢者肺炎の平均年齢は80歳台と高く、約6割の患者さんはリハビリテーションなどのため転院されています。一方で15歳以上65歳未満の肺炎は平均年齢が42歳と若く、全例退院されています。「間質性肺炎」は胸部X線やCTによる画像診断、気管支鏡検査による診断を行っています。ステロイドや免疫抑制剤、抗線維化薬による治療を行っています。「睡眠時無呼吸症候群」は1泊入院で睡眠ポリグラフによる診断を行っています。診断後は外来にてCPAP療法(持続陽圧療法)や歯科口腔外科と連携してマウスピースによる治療を行っています。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術   131   2.11   2.57   0.00   69.98
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし   103   8.47   8.88  12.62   78.74
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし    34   6.53   7.60   0.00   70.82
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし    27   8.07   8.51  11.11   11.11
060335xx97x0xx 胆嚢炎等 その他の手術あり 手術・処置等2なし    24  18.29  18.03  33.33   81.33
「小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」
小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は、主に大腸にできたポリープを内視鏡的に切除する治療法です。通常1泊2日で治療を行っています。
「胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし」
胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等は、主に胆管結石によって総胆管が閉塞され、発熱や黄疸、腹痛をきたして緊急受診された患者様に対し、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)の手技を用いて、結石除去、   胆管ステント留置などの内視鏡手術を行っています。
「穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし」
穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患は、大腸憩室炎による腹痛、発熱で救急受診された患者様に対し、点滴と抗生剤投与により炎症をおさえる治療を行っています。
「虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし」
虚血性腸炎は、腹痛、下痢、血便を主訴に救急受診されることが多い疾患であり、腸管安静のために絶食、点滴治療を行っています。
「胆嚢炎等 その他の手術あり 手術・処置等2なし」
胆嚢炎は胆石が原因となることが多く、主に腹痛で受診されます。緊急手術を要する疾患ですが、年齢や併存疾患などで手術が困難な患者様には、内視鏡を用いた胆嚢炎治療を積極的におこなっています。





循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx99001x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病あり    37   17.59   18.36   37.84   89.27
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし    17    3.71    3.07    5.88   72.00
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外    12   17.58   17.33   41.67   85.83
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    12   10.67    9.59    8.33   80.58
050080xx99101x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 定義副傷病あり     -     -   14.29     -     -
「弁膜症」:心臓の中にある弁構造(大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁)の機能が失われる(開放制限:狭窄症、閉鎖制限:閉鎖不全症)ことで心臓のポンプ機能が低下し、心不全に至る疾患です。早期の診断で手術治療などの介入が必要かチェックし、心不全の予防や重症化予防を行います。
「狭心症・慢性虚血性心疾患」:心臓を栄養する冠動脈が動脈硬化や痙攣で狭くなる疾患です。心電図・心エコー・運動負荷試験を行い、疑わしい場合は冠動脈CTや心臓カテーテル検査で診断します。高度の狭窄があればカテーテル治療や心臓血管バイパス術を行います。
「心不全」:心臓のポンプ機能の低下により、息切れやむくみがでる病態です。安静・食事療法(減塩食)・内服治療を行いますが、重症の場合は酸素吸入や点滴が必要となります。また、入院早期からの心臓リハビリテーションも行います。
「徐脈性不整脈」:脈が遅いことで心不全や意識障害を来す疾患です。腎不全や薬剤などの原因が無いかチェックし、改善がなければ恒久的ペースメーカー植え込み術を行います。

血液・腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり    31   18.29   19.30   22.58   83.39
130010xx99x9xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等29あり    27   10.44   12.45    0.00   72.81
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等23あり    18   16.56   14.89    0.00   78.44
130010xx97x9xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等29あり    11   26.55   34.69    0.00   81.45
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり    10    9.00    8.65    0.00   82.20
当科の特徴として、入院患者さんのほとんどが抗がん剤治療目的となります。その中でも最も多い疾患が悪性リンパ腫の中でもびまん性大細胞型B細胞リンパ腫です。初発の場合には、R-CHOP療法やpola-R-CHP療法を行っており、再発の場合にはpola-BR療法などを行っています。また、濾胞性リンパ腫や成人T細胞白血病・リンパ腫などの悪性リンパ腫に対しても治療を行っており、治療法が異なる為に複数のDPCコードで対応していることになりいます。また、急性骨髄性白血病に関しては、数年前より治療法が変更となりました。以前には治療出来なかった高齢者でも新規治療薬で治療が出来る様になりましたが、この治療法は繰り返す必要があります。その為、短期入院を繰り返している患者さんも多数となります。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし    44   2.05   3.82   2.27   74.50
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし    25   9.96  11.35  16.00   73.04
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    19  11.68   7.38  10.53   74.00
110280xx02x01x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病あり    15  23.53  16.60  13.33   77.67
110290xx99x0xx 急性腎不全 手術なし 手術・処置等2なし    14  21.50  13.54  57.14   71.00
検尿異常(蛋白尿や血尿)、腎機能低下といった腎臓疾患の診断や治療、慢性腎不全に進行した方の保存期治療、末期腎不全に至った方の透析療法を行っています。また、透析患者さんのシャント血管の手術やカテーテル治療も行っています。
代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり    72   13.07   13.77    4.17   66.79
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし    14   12.43   10.46    0.00   65.50
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし     -     -   13.07     -     -
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし     -     -    9.83     -     -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし     -     -   20.78     -     -
2型糖尿病は、糖尿病の中でもっとも多い (およそ90%) タイプです。通常は内服薬で治療を行いますが、注射薬(インスリン、GLP-1受容体作動薬)が選択される場合もあります。血糖降下作用以外の利点(たとえば心血管系に対する保護作用、腎臓に対する保護作用、体重減少作用、など)をもつ薬剤もあり、患者さんの状況(例えば心血管系疾患の既往、腎機能、肥満、その他)を考慮して薬剤の選択を行います。数種類の内服薬でも血糖が安定しない場合、手術等を控えている場合、あるいは他の急性疾患に罹患中の場合などには、インスリンを用いて確実に血糖を管理することが望まれます。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし   107   6.36   7.05   1.87   63.13
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等    51   5.02   4.54   0.00   70.69
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等    40   5.75   5.32   2.50   46.75
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし    27   15.3  14.81   7.41   72.67
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    25   9.44   9.08   8.00   74.32
消化器外科では、悪性疾患に対する根治手術、救急疾患のみならず、あらゆる消化管外科手術患者を受け入れております。進行悪性腫瘍に対しては、各診療科との連携を行い、化学療法などを含めた集学的治療や他臓器合併切除を含めた拡大手術を行っております。また適応症例には、積極的に侵襲の低い鏡視下手術を行っており、患者様に、安全、安心な治療を目指して診療を行っております。
胆嚢炎に対する手術は、ガイドライン(TG18)に従い、全身状態が許せば早期腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。
鼠径ヘルニアに対しては、基本的には腹腔鏡下手術を行っていますが、抗凝固剤内服中や下腹部開腹歴を有す患者では前方アプローチでの手術を選択して行っております。
緊急手術を要する虫垂炎や腸閉塞に対しては、緊急で迅速な手術を行っています。
結腸癌に対しては、腹腔鏡手術を中心とした根治術を多数行っております。

乳腺・内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)    44   4.39   5.50   0.00   67.00
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし    35   7.74   9.77   0.00   67.26
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等22あり    10  35.20  25.66   0.00   60.50
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり    10   2.70   3.64   0.00   51.80
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし     -     -   9.75     -     -
乳腺・内分泌外科では、主に乳がん、甲状腺がん、原発性副甲状腺機能亢進症の診断と治療を行っています。乳がんの入院期間は乳房部分又は全切除及びセンチネルリンパ節生検が約5日間、腋窩郭清の場合が約8日間の入院です。また、乳がんのほかに甲状腺がんや良性の甲状腺腫瘍、副甲状腺摘出術などの外科治療も行っています。 

呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2なし    16   10.25   9.82   0.00   71.63
160400xx99x0xx 胸郭・横隔膜損傷 手術なし 手術・処置等2なし     -     -   9.39     -     -
040030xx97xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 手術あり     -     -   8.44     -     -
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし     -     -  11.12     -     -
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし     -     -  13.41     -     -
熊本大学病院呼吸器外科と連携して手術を行っています。肺癌に対しては、基本的には全例胸腔鏡下手術を行っております。
傷が小さく痛みが少ない胸腔鏡下手術は、患者さんにとって有益な手術法です。低侵襲であるため、短期入院で済み、仕事などへの早期の復帰が可能です。
呼吸器内科医と連携して化学療法も行っております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等   202   22.66   25.29   93.07   84.6
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等   170   18.11   18.76   60.00   67.64
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし    72   13.88   19.16   83.33   80.28
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等    40    9.40    5.95   17.50   72.68
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等    35   17.26   21.38   88.57   75.31
当院整形外科手術は、股関節・膝関節手術、脊椎手術、外傷手術が多くなっています。
変形性関節症、関節リウマチ、骨壊死などに対する人工関節置換術は一般的に良好な成績であることが知られています。
当科での人工関節置換術は、最小侵襲手技やナビゲーション使用などでさらなる成績向上に取り組んでいます。
脊椎手術については、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなど、頚椎から腰椎の脊椎疾患の手術的治療が可能です。
特に、内視鏡を用いた手術を導入し、椎間板ヘルニア及び脊柱管狭窄の手術を行っています。
大腿骨頚部骨折や橈骨遠位端骨折など骨折全般に対する手術をおこない、出来るだけ早く社会復帰していただけることを目指しています。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    48   7.50   7.99   25.00   60.71
010200xx01x00x 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    37   16.62   18.56   48.65   74.43
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    35    3.34   6.44   11.43   79.29
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    35   10.37   9.83   65.71   83.03
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    15   13.07   18.68   66.67   75.47
「頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし」 「頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし」
転倒による頭部打撲では、受傷時に出血などの器質的病変がなくても、時間経過で出現することがあります。また痙攣などの症状が出現することもあります。出血により血腫を生じると脳圧亢進による意識障害や麻痺などを生じます。最近では、抗凝固剤を服用されている方も増えており、出血拡大の可能性があり、中和剤がある場合には点滴を行って、入院により経過観察を慎重に行っています。 頭部外傷後1ヶ月くらい経って、頭痛、ふらつき、もの忘れ、手足の麻痺が手術現した場合には、「慢性硬膜下血腫」を疑います。頭部CTで診断することができます。局所麻酔を行い、血腫を取り除くことで、比較的速やかに症状が改善します。
「非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし」
非外傷性頭蓋内血腫の多くは、高血圧に伴う脳出血です。脳卒中の中では脳梗塞に次ぐ疾患です。急性期には血圧管理の下、厳重な管理が必要です。血腫の増大があり、意識障害、神経症状の悪化が出現すれば、すぐに緊急で手術が出来るような体制で診療を行っています。
「水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし」
「水頭症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし」
歩行障害、認知障害、排尿障害のいずれかで発症し、頭蓋内検査の結果、正常圧水頭症の診断で受診される方が増えています。正常圧水頭症疑いの患者に対して、2泊3日入院にて髄液排出試験(タップテスト)を行い、排出前後での症状の改善を理学診療部と協力して行います。髄液排出試験の結果、症状が改善すればシャント手術(腰椎腹腔短絡術または脳室腹腔短絡術)を行っています。

皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし    56   3.52   3.77   0.00   48.7
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし    33  11.42  12.98  21.21  71.33
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし    15   6.87   6.92   0.00  72.40
080190xxxxxxxx 脱毛症     -     -   3.29     -     -
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術・処置等2なし 定義副傷病なし     -     -  14.93     -     -
皮膚腫瘍は、当科の診療の柱であり、悪性腫瘍、良性腫瘍ともに増加傾向です。
膿皮症は皮膚の細菌感染症で、一般的には「蜂窩織炎」と呼ばれます。抗菌薬の治療を行います。
高齢者の方が多く、若年の方よりはやや入院期間がながくなる傾向にあります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし    72   12.68   13.66   29.17   74.67
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり    68    2.53    2.45    0.00   71.54
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし    47    8.83    6.81    2.13   75.47
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし    47    7.62    5.16    4.26   66.40
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)    19    2.47    2.40    0.00   63.21
腎臓に起こる尿路感染症を、腎盂腎炎といいます。細菌が膀胱から尿管を逆行することで引き起こされます。発熱、腰痛の他、頻尿、排尿痛といった膀胱炎の症状もみられます。抗生物質による治療を行います。
前立腺がんは、男性において最も罹患数の多いがんとなっております。PSA検査という血液検査により、早期発見・適切治療が可能となっています。
膀胱悪性腫瘍に対する経尿道手術とは、麻酔下に尿道から手術用の内視鏡を膀胱内に挿入し、膀胱腫瘍を先端がループ状になった電気メスで切除する手術です。
経尿道的尿路結石除去術は、尿道から挿入した内視鏡を膀胱、尿管、腎盂へと到達させ、そこに存在する尿路結石をレーザーによって砕石する手術です。結石を直接砕石するためため体外衝撃波腎・尿管結石破砕術に比べ効率的な治療効果が期待できますが、麻酔下に手術を施行するため、身体への負担は大きくなります。
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)は、音波の一種である衝撃波を体の外から結石に向けて照射し、結石のみを細かく破砕する治療法です。砂状に破砕された結石は尿とともに自然に体外に排出されます。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼    352   2.26   2.49   0.57   75.58
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり    89   3.00   3.08   0.00   22.33
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼    66   4.44   4.29   0.00   73.36
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし片眼    54   7.87   5.89   0.00   56.76
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし    54   6.65   5.47   0.00   71.24
当科は白内障手術を多く手掛けること、斜視、網膜硝子体疾患に強いことが特徴です。
「白内障」
水晶体は、カメラの構造に例えるとレンズの役割をしている部分です。水晶体が濁った状態を白内障と言います。多くは加齢が原因です。その他アトピー性疾患や糖尿病などの全身疾患によるもの、打撲や外傷によるもの、先天性のものもあります。通常徐々に進行して視力低下を来します。治療は手術になります。通常片眼では2日間、両眼では4日間の入院です。
「斜視」
斜視とは、左右の眼の視線がずれている眼位の異常です。両眼でものをみる機能の異常で起こる共同性斜視と目を動かす筋肉や神経の異常で起こる麻痺性斜視、強い遠視で起こる調節性内斜視があります。共同性斜視、麻痺性斜視においては複視、容姿の改善や眼鏡に貼った膜プリズムの除去、小児例の場合、視機能発達を目的に手術を行います。
「糖尿病網膜症」
糖尿病網膜症は、本邦の失明原因の上位にあります。早期であれば、血糖コントロールで発症や進行を予防することができます。進行して網膜の細小血管に広範な閉塞が生じると、失明のリスクが高まり進展防止にレーザー光凝固が必要です。増殖性糖尿病網膜症は、糖尿病網膜症の最も進行した状態で網膜に新生血管や増殖組織ができ、硝子体出血や網膜剥離を生じます。レーザー光治療だけでは完治が難しく、手術が必要となります。手術でも完全な視力の回復は困難です。
「黄斑円孔・黄斑上膜」
眼球の内側には、光や色を感じる網膜という組織があります。カメラの構造に例えるとフィルムに相当する部分です。黄斑は網膜の中心部に存在し、ものをはっきりみるための神経が集中している場所です。黄斑円孔とは、黄斑に穴が開く病気です。黄斑上膜とは、黄斑の表面にセロファン状の膜がはる病気です。加齢や目のなかの炎症、外傷などが原因でおこります。黄斑円孔・黄斑上膜では初期にはものをみる中心部にゆがみやかすみが生じます。進行すると、視野の中心がみえなくなります。放置すると中心の視力低下は進行しますが、周辺の視野は残るため完全に失明することはまれです。手術以外に治療法はなく、視力低下、ゆがみが進めば手術を行います。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患   131   4.99   7.35   0.76   17.58
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎    75   4.17   5.84   0.00   58.72
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし    52   4.29   4.29   9.62   71.92
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり    26   4.92   6.68   0.00   58.12
030320xxxxxxxx 鼻中隔弯曲症    26   4.19   5.63   0.00   34.35
「扁桃、アデノイドの慢性疾患」
成人と小児がほぼ半数ずつとなっています。成人では習慣性扁桃炎が多く、小児ではいびきや睡眠時無呼吸を生じる様な、扁桃肥大・アデノイド増殖症が多くを占めています。
「慢性副鼻腔炎」
薬物治療で改善のない場合などに手術を行っています。以前口内からの手術を受けた後に嚢胞を生じる方もおり、通常数十年と長期間を経て、頬部痛、頭痛、複視など様々な症状を生じて診断されることが多いです。近年では指定難病である好酸球性副鼻腔炎の診断をすることが増えています。
「前庭機能障害 手術なし」
めまい症状の訴えで受診する方の多くが、良性発作性頭位眩暈症やメニエール病などの前庭機能障害の状態ですが、心疾患や頭蓋内疾患が原因となっている場合もあり注意が必要です。救急外来を受診し、改善なく帰宅できない場合は入院としていますが、多くの方が数日のうちに自然軽快します。完全に安静にするのではなく、転ばない程度で適度に動いた方が回復が早い様です。
「耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり」
耳鼻科領域にできる腫瘍は多種多様であり、症状も多岐にわたります。無症状で生活にほぼ支障を来さないようなものから、上気道の閉塞を生じる様なものまであります。根治的な治療を希望される場合、手術が勧められます。外耳道、鼻腔、口腔より操作できる場合も多いですが、大唾液腺腫瘍などの頸部疾患では、頸部皮膚を切開する必要があります。
「鼻中隔弯曲症」
極端な弯曲では鼻閉の原因となることがあり、手術を行うことがあります。慢性副鼻腔炎や重度のアレルギー性鼻炎に対する鼻閉改善手術と併せて行うことが多いです。




産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170x101xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 子宮破裂手術等 27 32.15 35.98   0.00   32.19
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし    25  31.60  19.47  12.00   32.64
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等    20   8.65   9.40   0.00   34.15
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等    15   9.00   9.34   0.00   32.00
120160xx01xxxx 妊娠高血圧症候群関連疾患 子宮破裂手術等    11   10.27  12.73   9.09   33.64
当院は総合周産母子センターに指定されており、妊婦さんのための集中治療室(MFICU)が設置されています。県内の産婦人科医療機関から妊娠22週以降37週未満の切迫早産の患者さんを始め、合併症を有する妊婦さんを受け入れ、適切な治療を行い妊娠が満期(37週)まで継続するよう治療を行っています。。昨年度の分娩のおよそ30%は早産となりましたが、誕生した赤ちゃんにとって、出産時に新生児科の医師による初期蘇生ののち、新生児集中治療室(NICU)での治療に速やかに移行できることは当院の最大の強みです。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等    63   9.27   9.20   0.00   43.75
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし    51  10.94   9.84   1.96   57.25
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等    42   6.50   5.88   0.00   45.02
12002xxx02xxxx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等    36   3.00   2.92   0.00   39.72
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等    31   6.16   5.97   0.00   42.81
「子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等」
子宮の良性腫瘍に対する開腹による子宮全摘術で、主に腹腔鏡下手術が困難な大きな子宮筋腫症例が対象です。
「子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし」
主に子宮体癌、子宮頸癌に対する根治術で、局所再発を防ぐために子宮だけでなく子宮周囲の組織を子宮とともに合併切除する手術です。
「子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等」
子宮の良性腫瘍 、主に子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮頸部異形成に対する腹腔鏡下低侵襲手術です。
「子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし」
主に子宮頸部高度異形成
「卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等」
子宮附属器、主に卵巣の良性腫瘍に対する腹腔鏡で行う低侵襲手術です。に対する手術で、経腟的に子宮頸部を部分切除します。当院では2泊3日で施行しています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし    13   16.15   13.66   76.92   86.00
161020xxxxx00x 体温異常 手術・処置等2なし 定義副傷病なし    13    3.46    6.53    7.69   61.31
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし    12    22.5   20.78   83.33   86.08
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病なし    10    18.9    8.02   60.00   79.00
100380xxxxxxxx 体液量減少症    -     -   10.26     -     -
「腎臓又は尿路の感染症」
ガイドラインに基づいて抗生物質を選択しています。高齢の患者さんが多く、感染症の治癒後もリハビリテーション目的に転院となる方がおられます。
「体温異常(熱中症、偶発性低体温症)」
熱中症患者さんは、救急外来での点滴後も倦怠感や歩行困難のある方が入院となります。入院後も点滴を継続し、2-3日で退院となる方がほとんどです。冬場の寒冷環境への長時間暴露などで、低体温(35℃未満)となる方がおられます。集中治療を要するほどの高度低体温から、数時間程度の加温で回復される方まで様々です。低体温により臓器障害を来すことがありますので、速やかな体温回復に努めています。
「誤嚥性肺炎」  
高齢者に発生する肺炎の多くは、加齢による嚥下障害によって発生する誤嚥性肺炎です。口の中の分泌物などの飲み込み間違いによって発生します。抗生物質による治療を行います。肺炎の治癒後もリハビリテーション目的に転院となる方がおられます。
「その他の感染症」 
細菌感染症が疑われる患者さんがほとんどです。確定診断前から抗生物質による治療を開始します。入院後の検査結果(細菌培養など)に基づいて、より適した抗生物質に変更します。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 19     4     5    10     6     5     1     8
大腸癌 22    18    23    24     9     6     1     8
乳癌 48    57    17     1     6    12     1     8
肺癌 18     8    12    75     0    21     1     8
肝癌 0     0     0     1     1     4     1     8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院の特徴としては、診療科が多く、色々な種類のがんに対応しているところとなります。その為、5大がんに対しても診療を行っています。但し、肝臓がんに関しては症例数が少ないです。胃がん、大腸がん、乳がんに関しては、手術から抗がん剤治療、放射線治療まで行っており、肺がんに関しては手術に関しては制限がありますが、抗がん剤治療や放射線治療を行っています。新病院で診療開始の頃には、新規の患者さんが多数でしたが、診療継続により、徐々に再発の割合が増えてきています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症    40   9.83   45.5
中等症    52  16.67   74.5
重症     7  18.71   79.0
超重症     2  13.50   58.5
不明     0     0     0
成人市中肺炎症例は101例が入院し、91%は軽症、中等症でした。軽症例は比較的若い患者さんが多く、平均約10日で退院しています。
中等症、重症は平均年齢が約75歳以上の高齢者が多く、平均在院日数は、中等症は16日、重症は18日と、中等症、重症では在院期間が長くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 83  18.02  76.99   50.43
その他 34   14.00   76.56   16.24
令和元年度新病院以降、脳梗塞の入院患者さんの数は徐々に増加しております。 緊急対応を要する急性期脳梗塞に対しては、24時間体制で診療しています。超急性期治療に続く、各種血管疾患のリスク管理や急性期リハビリテーションも充実しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
新生児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
  K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの    20   0.00   70.80   25.00   0.00
  K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの    18   0.00  138.33    0.00   0.00
  K734 腸回転異常症手術     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
  K145-2 皮下髄液貯溜槽留置術     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
  K5622 動脈管開存症手術 動脈管開存閉鎖術(直視下)     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
正期産児の分娩の際には、約5%に人工呼吸などの蘇生行為と呼ばれる介助が必要と言われています。当院は、熊本県の総合周産期母子医療センターという役割を担っており、県内からハイリスクの妊婦さんが集まってきます。そのため、分娩の時に高度な蘇生を要する例が多く、蘇生行為に習熟したスタッフが常に院内に待機しております。また、当院で多数出生する早産児は、もともと呼吸が不安定な状態で生まれてくるため、ほとんどが蘇生の対象となります。
小児循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
  K5761 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの    15   7.33   34.07   0.00   2.27
  K570-3 経皮的肺動脈形成術     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
  K5741 心房中隔欠損閉鎖術 単独のもの     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
  K566 体動脈肺動脈短絡手術(ブラロック手術、ウォーターストン手術)     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
  K5764 心室中隔欠損閉鎖術 右室流出路形成を伴うもの     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
当院では熊本県内で唯一、小児心臓外科による先天性心疾患の手術を行っています。心室中隔欠損症、心房中隔欠損症をはじめ、その他の様々な先天性心疾患の治療を小児心臓外科、新生児科、小児科などと協力して行っております。それ以外の不整脈、心筋症、川崎病冠動脈病変などの心疾患の診療も行っております。また心疾患を有する患者様などの感染症などの診療も小児科と協力して行っております。当科では、心臓カテーテル検査および治療を多く行っております。胎児の診療も産婦人科と協力して行っております。胎児期から成人期まで幅広い年齢層に対する診療を継続して行っているのが当科の特徴です。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア    29   0.86   1.00   0.00   4.21
 K836 停留精巣固定術    22   0.86   1.00   0.00   3.05
 K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア    13   0.85   1.00   0.00   4.00
 K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K819-2 陰茎形成術     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
小児外科の患者・手術件数は、胎児期の鼠径部の腹膜開存が残るという軽度な先天異常である鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)が最も多く、開いたままの腹膜を根元でしばる手術が必要となります。
精巣に関する疾患は、その発生過程で胎児期に精巣が腹部から鼠径・陰嚢へと下降するという複雑な経過が関連しており、下降が途中で止まること(停留精巣)で不妊のリスクが増加または悪性腫瘍の発生リスクが高いことが知られており、陰嚢への固定により挙児率は改善することが認められています。
臍ヘルニアは、臍帯脱落後の臍部の筋膜が閉鎖されないことによるおへその脱腸で、1~2歳過ぎには自然治癒が期待できないため手術を行い、開存している筋膜を閉鎖します。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満   134   0.14   1.71   0.00   70.00
 K688 内視鏡的胆道ステント留置術   103   1.08  10.10  13.59   79.67
 K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの    66   1.32  10.36  18.18   78.70
 K654 内視鏡的消化管止血術    35   1.20  11.83  34.29   75.17
 K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上    23   0.04   1.43   0.00   64.48
「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満」「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上」
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は、大腸にできたポリープを内視鏡的に切除する治療で、主に1泊2日で治療を行います。
「内視鏡的胆道ステント留置術」
内視鏡的胆道ステント留置術は、胆管結石や胆管癌、膵癌などによる総胆管狭窄を原因とする胆管炎、閉塞性黄疸に対し、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)の手技を用いて胆管ステントを留置し、黄疸や胆管炎を改善させます。
「内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの」
胆管閉塞をきたす胆管結石や胆管癌、膵癌などに内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を行う際に、乳頭切開術(EST)を行うことで治療を行いやすくし、膵炎などの合併症の軽減をはかります。
「内視鏡的消化管止血術」
内視鏡的消化管止血術は、出血性胃潰瘍や十二指腸潰瘍、結腸憩室出血などに対し緊急内視鏡を行い、クリップや電気凝固などを用いて止血術を行います。





腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回    37   0.38   2.43   2.70   73.97
 K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈    19   6.53  17.58  15.79   76.84
 K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの    18   4.61  10.72  11.11   72.61
 K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合    10   0.00   1.10   0.00   75.30
 K607-3 上腕動脈表在化法     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
腎臓内科で行う手術治療としては、シャント血管の作製術、閉塞した場合の再建術、また狭窄を来した時のカテーテル治療を行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術   116   0.78   4.99   2.59   62.81
 K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの    40   0.40   4.35   2.50   46.75
 K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)    35   1.20   2.63   0.00   68.63
 K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術    29   3.52  12.17   6.90   73.14
 K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア    16   1.81   2.63   0.00   75.19
消化器外科では、悪性疾患に対する根治手術、救急疾患のみならず、あらゆる消化管外科手術患者を受け入れております。進行悪性腫瘍に対しては、各診療科との連携を行い、化学療法などを含めた集学的治療や他臓器合併切除を含めた拡大手術を行っております。また適応症例には、積極的に侵襲の低い鏡視下手術を行っており、患者様に、安全、安心な治療を目指して診療を行っております。
胆石症のみならず急性胆嚢炎に対しても、ガイドラインに従って、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。
鼠径ヘルニアに対しては、基本的には腹腔鏡下手術を行っていますが、抗凝固剤内服中や下腹部開腹歴を有す患者では前方アプローチでの手術を選択して行っております。
緊急手術を要する虫垂炎に対しては、夜間でも迅速な手術を行っています。
乳腺内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)    44   0.91   2.48   0.00   67.00
 K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)    15   1.00   5.27   0.00   68.87
 K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの    15   1.47   6.33   0.00   67.07
 K4742 乳腺腫瘍摘出術 長径5cm以上     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
乳腺・内分泌外科では、主に乳房の部分切除・全摘や甲状腺の部分切除・全摘を行っています。乳房の手術の場合、部分切除が約4日間、全摘・郭清が約6日間の入院となります。甲状腺の手術の場合、甲状腺全摘、亜全摘、半葉切除などがあり、周囲のリンパ節も状況に応じた範囲を切除(郭清)します。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの    12   1.00   9.17   0.00   71.25
 K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K5134 胸腔鏡下肺切除術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K488-4 胸腔鏡下試験切除術     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
熊本大学病院呼吸器外科と連携して手術を行っています。肺癌に対しては、基本的には全例胸腔鏡下手術を行っております。
傷が小さく痛みが少ない胸腔鏡下手術は、患者さんにとって有益な手術法です。低侵襲であるため、短期入院で済み、仕事などへの早期の復帰が可能です。
呼吸器内科医と連携して化学療法も行っております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K0821 人工関節置換術 肩、股、膝   205   1.46   15.65   65.37   68.97
 K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿   165   6.34   13.44   78.18   81.5
 K0811 人工骨頭挿入術 肩、股    87   8.91   13.22   95.40   83.60
 K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨    78   4.77    9.44   35.90   65.14
 K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他    35   2.89    6.97   28.57   51.69
当院整形外科入院の患者さんは、高齢者の骨粗鬆症を伴った骨折、特に大腿骨近位部骨折、胸腰椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折などが多くなっています。
また変形性関節症などの関節疾患に対する人工股関節置換術、人工膝関節置換術を多数おこなっており、人工関節手術目的で入院の患者様も多くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K1742 水頭症手術 シャント手術    35   3.26   12.57   54.29   77.54
 K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術    33   0.91    9.61    69.7   84.55
 K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 硬膜下のもの     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
「水頭症手術 シャント手術」
歩行障害、認知障害、排尿障害のいずれかで発症し、頭蓋内検査の結果、正常圧水頭症の診断で受診される方が増えています。正常圧水頭症疑いの患者に対して、2泊3日入院にて髄液排出試験(タップテスト)を行い、排出前後での症状の改善を理学診療部と協力して行います。髄液排出試験の結果、症状が改善すればシャント手術(腰椎腹腔短絡術または脳室腹腔短絡術)を行っています。また、低体重出生新生児では、脳の未熟性により脳室壁より出血を生じ、その結果髄液循環が悪くなることで水頭症を生じることがあります。頭囲拡大や頭蓋内圧が高くなった場合には、脳室腹腔内シャント手術を行います。
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」
軽微な頭部外傷を契機として生じる疾患です。認知機能低下や歩行障害、四肢運動麻痺などの症状を生じます。局所麻酔下に穿頭血腫洗浄術を行い、ドレナージチューブを留置します。片側の場合、手術時間は30分程度です。通常翌日にCT検査を行い、チューブは抜去します。血腫が除去できれば、比較的速やかに症状の改善が期待できる疾患です。

皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3cm以上6cm未満    21   0.38   2.00   0.00   51.48
 K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除    21   0.52   5.33   4.76   74.29
 K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm未満    12   0.33   1.83   0.00   34.42
 K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm以上4cm未満    10   0.30   1.70   0.00   44.80
 K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3cm未満    10   0.30   1.80   0.00   40.20
皮膚腫瘍は当科の診療の柱であり、悪性腫瘍、良性腫瘍ともに増加傾向です。
切除範囲が大きいときには周囲の皮膚をずらしたり(皮弁術)、別の部位から皮膚を採取して植えたり(植皮術)いたします。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの   49   2.12   5.02   6.12   66.51
 K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの   44   2.30   6.11   2.27   75.61
 K783-2 経尿道的尿管ステント留置術   35   0.91   0.91  11.43   67.17
 K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)   19   0.00   1.47   0.00   63.21
 K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術   17   1.24  11.18   0.00   70.82
経尿道的尿路結石除去術は、尿道から挿入した内視鏡を膀胱、尿管、腎盂へと到達させ、そこに存在する尿路結石をレーザーによって砕石する手術です。結石を直接砕石するため体外衝撃波腎・尿管結石破砕術に比べ効率的な治療効果が期待できますが、麻酔下に手術を施行するため、身体への負担は大きくなります。
膀胱悪性腫瘍に対する経尿道手術とは、麻酔下に尿道から手術用の内視鏡を膀胱内に挿入し、膀胱腫瘍を先端がループ状になった電気メスで切除する手術です。
経尿道的尿管ステント留置術とは、尿管が結石や狭窄、外からの圧迫などで閉塞し尿が流れない状態になったとき、尿の流れを改善する目的でステントという管を留置する手術のことをいいます。痛みが強いときや腎盂腎炎を起こしているときに適応となります。
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)は、音波の一種である衝撃波を体の外から結石に向けて照射し、結石のみを細かく破砕する治療法です。砂状に破砕された結石は尿とともに自然に体外に排出されます。
腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術は前立腺がんに対して行う腹腔鏡手術(内視鏡手術)です。従来の開腹手術に比べ創が小さく、術後の痛みが軽度であるなどの利点があります。

眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの   412   0.21   1.41   0.49   74.99
 K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの   143   0.72   6.46   0.00   65.34
 K2422 斜視手術 後転法    41   1.00   1.00   0.00   16.78
 K284 硝子体置換術    31   0.90   6.48   0.00   54.97
 K2423 斜視手術 前転法及び後転法の併施    29   1.00   1.00   0.00   28.00
「白内障手術」
基本的に、入院で手術を行っています。局所麻酔下、侵襲の少ない小切開手術(超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入術)が主体です。水晶体核が硬い、チン小帯が脆弱などの難症例では大切開手術(ECCEやICCE)で行います。眼内レンズ水晶体嚢内、嚢外固定が困難な症例では、眼内レンズ縫着術、眼内レンズ強膜内固定術を同時、もしくは後日行っています。小児例など術中の鎮静が得られない場合は全身麻酔での手術になります。
「硝子体手術(硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む・その他)・硝子体置換術」
増殖糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑上膜、裂孔原性網膜剥離、増殖性硝子体網膜症、硝子体出血、眼外傷などが対象症例です。緊急手術にも対応しています。
「斜視手術」
共同性斜視、麻痺性斜視に対し手術を行っています。統計上は、後転術が最も多い術式ですが、斜視手術の術式としては後転法、前転法、斜筋手術などがあり、症例ごとに最も有効な術式を組み合わせて手術を行っています。基本的に全身麻酔での手術になります。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K3772 口蓋扁桃手術 摘出   103   1.11   3.26   0.97   19.66
 K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)    47   1.26   2.09   0.00   60.83
 K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術)    24   1.04   2.08   0.00   55.21
 K370 アデノイド切除術    23   1.09   1.39   0.00    5.22
 K4571 耳下腺腫瘍摘出術 耳下腺浅葉摘出術    22   1.05   3.00   0.00   59.36
「口蓋扁桃手術(摘出」
術後は創部が露出したままとなりますので、合併症として最も問題となるのは出血です。1割程度に、退院後である術後1週間程度の時期に起こることがほとんです。比較的多量となることが多いですが、そのほとんどの場合は自然に軽快しており、止血処置まで行うのは稀です。個人差は大きいものの、術後は嚥下時痛が2,3週は続き、その間ほとんどの方が鎮痛薬を必要とします。術後の治療はとくにありませんので、基本的に入院期間は4、5日間までとしています。早期退院を希望し手術翌日退院される方もおられます。
「内視鏡下鼻・副鼻腔手術III,IV型」
現在、副鼻腔炎の手術の大部分は内視鏡下鼻内のみの操作で行い、以前のように顔面や口内の切開を必要とすることはほとんどありません。鼻内の広範囲が創面となるため、止血目的で鼻内にガーゼを留置し、基本的には手術翌日に抜去、入院期間は4日間程度としています。入院される方の手術はほとんど全身麻酔下となっていますが、病状によっては局所麻酔下・外来手術も可能です。操作範囲によりI-V型と分類されていますが、身体への負担はそれほど差がありません。なお、術後の鼻内の変化は個人差が大きく、術後の鼻処置が重要です。また、アレルギーや特に喘息のある方は、術後の再発傾向が強いことを術前によく理解していただく必要があります。
「アデノイド切除術」
鼻閉やいびき、睡眠時無呼吸に関連していると思われる場合に行います。対象は主に小児であり、口蓋扁桃摘出手術と併せて行うことが多いです。
「耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術」
耳下腺腫瘍の9割程度は、良性です。術前に細胞診は行った上で、術式は決定しますが、摘出した組織に対して確定診断が下されます。術前には良性腫瘍を疑われていたものの、最終的には悪性腫瘍と診断される場合もあるということになります。耳下腺内を顔面神経が走行しているため、手術の合併症として顔面の運動麻痺を生じる危険性があります。なお、良性腫瘍も様々に分類されますが、多くは多形腺腫とワルチン腫瘍です。後者はほとんど喫煙者にしか生じません。





産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K8981 帝王切開術 緊急帝王切開    56   10.84   5.93   1.79   32.02
 K8982 帝王切開術 選択帝王切開    25    7.32   5.92   0.00   34.56
 K9122 異所性妊娠手術 腹腔鏡によるもの     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K636-4 腹腔鏡下試験切除術     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
 K893 吸引娩出術     ‐     ‐     ‐     ‐     ‐
産科は、県内産婦人科施設から緊急を要する症例(母体搬送)を多く受け入れています。入院後直ちに帝王切開による分娩が必要な患者さんや入院中に緊急帝王切開が必要となる患者さんも多く、あらかじめ日時の決まった選択的帝王切開に比べておよそ2倍が緊急帝王切開となっています。分娩に占める帝王切開術の割合はおよそ60%で、経腟分娩よりも帝王切開の方が多い結果となりました。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
 K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの    58   0.95   4.40   0.00   40.21
 K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術    52   1.06   4.71   0.00   46.81
 K877 子宮全摘術    39   1.00   7.26   0.00   50.56
 K867 子宮頸部(腟部)切除術    36   1.00   1.00   0.00   39.72
 K8721 子宮筋腫摘出(核出)術 腹式    33   1.00   7.33   0.00   36.88
「子宮附属器腫瘍摘出術(両側)腹腔鏡によるもの」
主に卵巣の良性腫瘍で腹腔鏡下による卵巣卵管全摘や卵巣の部分切除を行った症例です。
「腹腔鏡下腟式子宮全摘術」
子宮の良性腫瘍である子宮筋腫、子宮腺筋症や子宮頸部高度異形成等の子宮全摘が必要で、腹腔鏡下手術が適している症例です。
「子宮全摘術」
開腹による子宮全摘症例で、大きさや癒着等で腹腔鏡下手術が困難な症例です。
「子宮頸部(腟部)切除術」
主に子宮頸部高度異形成症例です。
「子宮筋腫摘出(核出)術腹式」
子宮筋腫で筋腫のみを摘出し子宮を温存した症例です。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一     1   0.01
異なる    15   0.18
180010 敗血症 同一    13   0.15
異なる    29   0.35
180035 その他の真菌感染症 同一     1   0.01
異なる     0   0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一    13   0.15
異なる     4   0.05
臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌症、手術・術後の合併症について発症率を集計しています。
【指標の定義】
 播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・術後の合併症について、入院契機病名(DPC6 桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数と発生率を示しています。
【解説】
 播種性血管内凝固症候群や敗血症は原疾患治療中に発生する合併症と考えます。
 これらは重篤な合併症であるため、症例数、発生率について病院全体で減少に取り組んでまいります。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
          1,745            1,479           84.76%
手術を受けた後の患者さんは、身体を動かす機会が少なくなり、血管の中に(血栓)血のかたまりができやすくなります。また、手術部位によっても血栓ができやすくなります。血栓が肺に流れて詰まってしまうと「肺血栓塞栓症」という命に関わる病気を引き起こす事があります。
当院では、手術を受けられる患者さん一人ひとりの「血栓ができやすいリスク」を評価しています。リスクは「高・中・低」レベルの3段階ありますが、そのレベルに応じて「弾性ストッキングの着用」「足をリズミカルに圧迫する機械(フットポンプ)の使用」「血液をサラサラにするお薬の投与」などの予防策を行っています。
ここでは、「血栓ができやすいリスク」が中以上の患者さんに対し、予防策が実施された割合をパーセントで示しています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
         1,452           974           67.08%
血液培養検査では、菌血症や敗血症における原因菌の検出率向上と原因菌ではない細菌の混入の有無を判断するため、2カ所以上の血管から採取することが世界的に推奨されています。当院は多くの血液を採取出来ない低出生体重児や小児患者が多いという特徴により、やや低い実施率となっています。又、令和6年度には、世界的な血液培養ボトルの供給不足が発生していたため実施率が低下していることも要因の一つです。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
          645          521           80.78%
近年、抗菌薬が効きにくい菌(薬剤耐性菌)が世界的に増えています。耐性菌の出現を防ぐためには、幅広い種類の菌に効き目がある『広域スペクトル抗菌薬』の乱用を抑え、適切な培養検査の実施により、いち早く原因菌を特定し、その菌に特に効果のある抗菌薬への切替えが重要です。本統計は培養検査の実施率を計算しております。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
        129,104             190            1.47‰
入院中の患者さんは、体調の変化や手術・治療の影響又は普段と違う環境などにより、転んでしまったりベッドから落ちてしまうことがあります。これを「転倒・転落」といいます。入院中の患者さんのうち、実際に転倒や転落された方の割合(パーセント)を示したものが、転倒転落発生率となります。
当院では、入院される患者さんに対し転倒転落リスク評価を実施し、リスクの高い患者さんに対してベッドの工夫や、見守りの強化などの安全対策を実施しています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
            129,104            5             0.04‰
入院中に起きる転倒・転落は、小さなすり傷や打ち身で済む場合もあれば、骨折など治療に大きな影響を及ぼす重大な怪我につながる事があります。当院では、転倒・転落が起きたとき、その影響の大きさを段階的に分類しています。その中で「レベル3b以上」とは、骨折や頭部の怪我など追加の治療が必要になるような比較的重いものを指します。発生率とは、入院されていた患者さんのうち、転倒・転落により「レベル3b以上」が発生した割合を言います。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
          2,697           2,687           99,63%
手術前の予防的抗菌薬は、手術を受ける患者さんを感染から守るために使用されます。手術を行う体の部位によって適切な薬剤を選択し使用しています。
手術を始めるとき(皮膚にメスを入れるとき)までに、血液中の抗菌薬の濃度を高めておく必要があるため、手術前1時間までに投与するように推奨されています。
当院では、基本的に手術室に入室した後に投与するようにしています。また、投与忘れを防ぐため手術を始める直前に、外科医師・麻酔科医師・手術室看護師みんなで適切な抗菌薬がきちんと投与出来ているか確認を行っています。
1時間前に投与されなかった症例は、緊急手術で事前に投与されていた場合や、特殊な抗菌薬を定期的に投与された場合などが当てはまりますので、手術開始時に血液中の濃度に問題ない場合のみです。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
            128,736              60              0.05%
褥瘡とは、圧迫や摩擦などの影響で皮膚の血流が阻害され、皮膚が赤くなったり皮が剥けるなどの損傷が起きた状態です。d2以上の褥瘡とは、厚さ0.2mm程度の表皮という部分を超える損傷がある状態です。褥瘡は、痩せて動けない方だけにできるものではなく、治療に必要な医療機器の装着が原因でできる場合もあります。
当院では入院患者さん全員に褥瘡のリスクがないか定期的な確認を行い、皮膚の観察や予防を行いながら、褥瘡の早期発見、治療に努めています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
          5,455          5,448            99.87%
65歳以上の高齢者は、栄養障害に陥るリスクが高いため、身体計測や体重変化、検査データなど多角的な視点から現在の栄養状態を把握し、低栄養や過栄養といった栄養障害を早期に発見するようにしています。評価を行うことで、予後改善に繋がるよう努めています。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
         109,875         11,120           10.12%
「身体的拘束」とは、病院の現場で患者さんの転倒転落や点滴などのチューブ類の抜去を防ぐために、ベッド柵やベルトを使って患者さんの動きを制限することをいいます。「身体的拘束実施率」とは、当院に入院している人のうち、ベッド柵やベルトを使って動きを制限されている患者さんがどの位いるかを割合(パーセント)で示したものです。身体的拘束はできるだけ避けるべきものですが、転倒転落や生命維持に重要な点滴やチューブ類が挿入されている場合には、一時的に必要になる場合があります。身体的拘束を実施した場合、当院では連日必要性の検討を行い、必要最低限の身体的拘束となるように努めています。
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