令和2年度 熊本市立熊本市民病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 995 263 421 522 559 615 1002 1396 1307 419
令和2年度の退院患者の人数を年齢階級別(10歳刻み)に集計しています。年齢は入院時の満年齢です。令和2年度の当院全退院患者数は7,499名になります。特に多い年代は60歳代~80歳代で全体の約50%を占めております。0歳~も995名と多く幅広い年代構成となっております。
当院は令和元年10月に新病院に移転し、238床で開院いたしました。熊本地震前の総合周産期医療、感染医療など高度な専門性を有する急性期病院としての責務を果たすために、徐々に病床数を増やし令和2年6月には更に58床増床し、令和2年度は338床での運用となりました。
今後も地域の医療機関との連携を図り、効果的で効率的な医療提供に努めて参ります。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 54 14.33 11.96 3.70 54.46
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 49 10.80 9.57 2.04 42.78
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 32 3.03 3.11 0.00 37.13
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 23 5.61 6.16 0.00 43.00
120100xx01xxxx 子宮内膜症 子宮全摘術等 18 9.11 7.30 0.00 43.33
①「子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術」は主に子宮体癌や子宮頸癌の開腹による根治術で、局所再発を防ぐために子宮だけでなく子宮周囲の組織を子宮とともに合併切除する手術です。
②「子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等」は子宮筋腫等の良性の子宮疾患や子宮体部や頚部の前癌病変や初期癌に対する開腹による手術で子宮だけを摘出します。
③「子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等」は主に子宮頸癌の前癌病変に対する「子宮頚部円錐切除」が該当し、経腟的な方法で子宮の出口を切除します。
④「卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの」は主に卵黄の良性腫瘍や子宮内膜症性嚢胞に対する腹腔鏡による摘出術です。
⑤「子宮内膜症 子宮全摘術等」は子宮を含め骨盤内の子宮内膜症や子宮腺筋症に対し子宮を含め、周囲の子宮内膜症病巣を切除する手術です。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 77 2.22 2.54 0.00 72.05
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 64 2.06 2.66 0.00 61.16
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 55 11.76 13.00 14.55 71.38
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 46 8.41 7.13 4.35 73.50
11013xxx04xxxx 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術等 14 7.07 5.53 0.00 72.86
①前立腺がんは男性において最も罹患数の多いがんとなっております。PSA検査という血液検査により、早期発見・適切治療が可能となっています。
②体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)は、音波の一種である衝撃波を体の外から結石に向けて照射し、結石のみを細かく破砕する治療法です。砂状に破砕された結石は尿とともに自然に体外に排出されます。
③腎臓に起こる尿路感染症を腎盂腎炎といいます。細菌が膀胱から尿管を逆行することで引き起こされます。発熱、腰痛の他、頻尿、排尿痛といった膀胱炎の症状もみられます。抗生物質による治療を行います。
④膀胱悪性腫瘍に対する経尿道手術とは、麻酔下に尿道から手術用の内視鏡を膀胱内に挿入し、膀胱腫瘍を先端がループ状になった電気メスで切除する手術です。
⑤膀胱結石とは膀胱内に結石が留まっている病気のことをいいます。腎でできた結石が尿管を通って膀胱に移動した後、前立腺肥大症や尿道狭窄、神経因性膀胱などにより外に排出されないことが原因で起こります。
代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 59 14.54 14.60 0.00 61.97
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 9.13 5.39 0.00 34.38
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15.40 13.33 20.00 51.00
(1) 2型糖尿病 手術・処置等あり
2型糖尿病は糖尿病の中でもっとも多い(およそ90%程度)タイプです。通常は内服薬で治療を行いますが、注射薬(インスリン、GLP-1受容体作動薬)が選択される場合もあります。数種類の内服薬でも血糖が安定しない場合、あるいは手術等を控えている場合には、インスリンを用いて確実に血糖を管理することが望まれます。
(2) 妊娠中の糖尿病
妊娠中は、児の正常な発育や安全なお産のために、妊婦さんの血糖を確実に管理することが望まれます。食事療法によっても血糖値が改善しない場合、インスリンを用いて血糖管理を行います(妊婦さんには糖尿病の内服薬は通常使用できず、インスリンが使用されます)。
(3) 糖尿病性ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群
糖尿病が非常に悪化した状態で、著しい高血糖、高度の脱水症などを伴い命にかかわる重症疾患です。
血液腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり 50 17.80 20.27 2.00 72.40
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等25あり 定義副傷病なし 18 27.11 31.90 11.11 76.33
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 11 8.18 11.14 0.00 69.27
第1位から第3位までを非ホジキンリンパ腫で占めており、当科での非ホジキンリンパ腫に対する取り組みに関して記載する。当科では、あらゆる型の非ホジキンリンパ腫に対して診断と加療を行っている。組織型は様々であり、最も多いびまん性大細胞型B細胞リンパ腫から稀なALK陰性未分化大細胞リンパ腫まで対応している。リンパ腫の部位は、当院が耳鼻咽喉科、脳神経外科、整形外科、消化器内科・外科など診療科が多いためにほとんどの部位のリンパ腫を加療している。治療方針は、日本血液学会の治療ガイドラインに遵守している。以上の理由により、多数の患者さんを加療している状況になっている。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 410 2.62 2.76 0.00 74.70
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 97 4.72 4.95 1.03 76.29
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 80 3.04 3.15 0.00 20.15
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 42 9.50 8.97 0.00 53.07
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし片眼 35 7.80 6.98 2.86 56.63
当科は白内障手術を多く手掛けること、斜視、網膜硝子体疾患に強いことが特徴です。
1.【白内障】水晶体はカメラの構造に例えるとレンズの役割をしている部分です。水晶体が濁った状態を白内障と言います。多くは加齢が原因です。その他アトピー性疾患や糖尿病などの全身疾患によるもの、打撲や外傷によるもの、先天性のものもあります。通常徐々に進行して視力低下を来します。治療は手術になります。片眼では2~3日間、両眼では4~5日間の入院です。
2.【斜視】斜視とは左右の眼の視線がずれている眼位の異常です。複視、容姿の改善や眼鏡に貼った膜プリズムの除去、小児例の場合、視機能発達を目的に手術を行います。
3.【網膜剥離】眼底の網膜の破れ目が原因で網膜が後ろの膜から剥がれた状態です。放置すると失明に至り、治療は手術になります。緊急性が高く迅速に対応しています。
4.【糖尿病網膜症】糖尿病網膜症は本邦の失明原因の上位にあります。早期であれば血糖コントロールで発症や進行を予防することができます。進行して網膜の細小血管に広範な閉塞が生じると失明のリスクが高まり進展防止にレーザー光凝固が必要です。増殖性糖尿病網膜症は糖尿病網膜症の最も進行した状態で網膜に新生血管や増殖組織ができ、硝子体出血や網膜剥離を生じます。レーザー光治療だけでは完治が難しく手術が必要となります。手術でも完全な視力の回復は困難です。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 64 17.16 20.51 42.19 86.11
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 23 16.04 9.42 0.00 72.70
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 17 23.00 18.61 11.76 75.71
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 14 17.79 13.30 64.29 74.00
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 12 2.00 2.04 0.00 62.00
1.誤嚥性肺炎
肺炎ガイドラインに基づいて抗菌薬を選択し、治療しています。平均年齢は86歳と高く、自宅や施設に退院される患者様も多いですが、約4割の患者様はリハビリテーションなどのため転院されています。
2.肺の悪性腫瘍(肺癌・悪性中皮腫)
胸部X線やCTによる画像診断、超音波気管支鏡を含む気管支鏡検査などによる確定診断を行っています。肺癌の治療には手術、放射線療法、抗癌化学療法がありますが、当院ではいずれも行っています。手術は大学病院と連携しており、抗癌化学療法では癌の特徴に応じて分子標的治療薬や免疫チェック阻害薬など積極的に使用しています。
3.間質性肺炎
胸部X線やCTによる画像診断、気管支鏡検査による診断を行っています。ステロイド剤や免疫抑制剤、抗線維化薬による治療を行っています。
4.睡眠時無呼吸症候群
1泊入院で睡眠ポリグラフによる診断を行っています。診断後は外来にてCPAP療法(持続陽圧療法)や歯科口腔外科と連携してマウスピースによる治療を行っています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし 40 3.78 4.51 7.50 74.55
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 7.22 8.15 15.63 67.50
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 21 9.33 11.04 9.52 51.62
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腎臓疾患の診断のための腎生検、IgA腎症に対する扁摘パルス療法、さらに慢性腎不全に進行した方の保存期治療、末期腎不全に至った方の透析療法を行っている。患者数としては透析患者のシャント作製術、再建術が最も多くなっている。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 30 2.80 2.79 0.00 3.13
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 17 2.76 3.84 0.00 4.82
140580xx02xxxx 先天性下部尿路疾患 尿道形成手術等 16 13.50 9.34 0.00 3.06
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 14 3.00 3.02 0.00 2.14
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小児外科の患者・手術件数は腹膜の開存という軽度な先天異常である鼠径ヘルニア(脱腸)が最も多く、件数は出生数の増加がみられないことからほぼ一定しております。第2位の陰嚢水腫は鼠径ヘルニアと原因を同一にするもので、開存の程度が軽度であるために腹水のみが陰嚢に溜まってくるというものです。腸管の嵌頓などのリスクはないものの精巣機能障害の恐れや心理的な影響が考えられるために手術適応となっています。3位は男児の尿道の形成異常を呈する尿道下裂で、亀頭からわずかにずれているものから陰嚢部に開口しているものまでバリエーションがみられます。そのため手術術式も複数あり、個々に適した術式を選択する必要があり難易度の高い疾患と言えます。次いで、本来腹腔から陰嚢に下降するべき精巣が途中で止まってしまう停留精巣が多くみられ、1歳頃に精巣を陰嚢内に固定する精巣固定術を行います。以上、尿道下裂(本疾患のみ約2週間の入院)を除く3疾患はできるだけ小さい創で主に1泊~2泊にて診療を行っており、短期の入院でご家族の経済的、社会的負担の軽減につながっていると思われます。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 39 12.87 12.87 15.38 70.26
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 38 3.97 4.06 0.00 46.26
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 24 5.33 7.71 0.00 76.67
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膿皮症は皮膚の細菌感染症で一般的には「蜂窩織炎」と言われます。抗菌薬の治療を行います。高齢者の方も多く、若年の方よりはやや入院期間がながくなる傾向にあります。皮膚腫瘍は当科の診療の柱であり、悪性腫瘍、良性腫瘍ともに増加傾向です。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 48 8.75 9.45 2.08 33.92
120170x101xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 子宮破裂手術等 30 17.03 37.20 0.00 30.93
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 20 8.90 9.45 0.00 30.15
120130xx97xxxx 異所性妊娠(子宮外妊娠) 手術あり 14 5.50 5.60 0.00 32.36
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 14 16.36 21.68 21.43 32.79
当院は総合周産期母子医療センターに指定されており、母体・胎児集中治療管理室(MFICU)において切迫早産や産科合併症症例を妊娠22週という早期から受け入れ、新生児集中治療室(NICU)と共同でこれらのハイリスク妊娠例と出生児に対する高度な医療を提供しています。このため、緊急搬送されそのまま緊急帝王切開術となる例も多く、そのほかに反復帝王切開例をはじめとする予定帝王切開例の症例も増加しています。最近では、異所性妊娠に対する内視鏡手術例も増加しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 79 5.33 7.94 0.00 24.57
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 54 4.39 6.71 0.00 55.80
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 38 5.13 4.94 2.63 69.39
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 34 5.00 7.20 0.00 52.79
030320xxxxxxxx 鼻中隔弯曲症 18 4.83 6.55 0.00 50.67
1扁桃、アデノイドの慢性疾患
成人と小児がほぼ半数ずつとなっています。成人では習慣性扁桃炎が多く、小児ではいびきや睡眠時無呼吸を生じる様な、扁桃肥大・アデノイド増殖症が多くを占めています
2 慢性副鼻腔炎
薬物治療で改善のない場合などに手術を行っています。以前口内からの手術を受けた後に嚢胞を生じる方もおり、通常数十年と長期間を経て、頬部痛、頭痛、複視など様々な症状を生じて診断されることが多いです。近年では指定難病である好酸球性副鼻腔炎の診断をすることが増えています。
3前庭機能障害 手術なし
 めまい症状の訴えで受診する方の多くが、良性発作性頭位眩暈症やメニエール病などの前庭機能障害の状態ですが、心疾患や頭蓋内疾患が原因となっている場合もあり注意が必要です。救急外来を受診し、改善なく帰宅できない場合は入院としていますが、多くの方が数日のうちに自然軽快します。完全に安静にするのではなく、転ばない程度で適度に動いた方が回復が早い様です。
4 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり
耳鼻科領域にできる腫瘍は多種多様であり、症状も多岐にわたります。無症状で生活にほぼ支障を来さないようなものから、上気道の閉塞を生じる様なものまであります。根治的な治療を希望される場合、手術が勧められます。外耳道、鼻腔、口腔より操作できる場合も多いですが、大唾液腺腫瘍などの頸部疾患では、頸部皮膚を切開する必要があります。
5鼻中隔弯曲症
極端な弯曲では鼻閉の原因となることがあり、手術を行うことがあります。慢性副鼻腔炎や重度のアレルギー性鼻炎に対する鼻閉改善手術と併せて行うことが多いです。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 47 18.64 17.23 31.91 84.11
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 12.83 10.56 10.34 80.45
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 24 3.46 3.07 0.00 69.33
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 11 6.09 4.44 0.00 73.00
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1【心不全】慢性心不全の急性増悪、急性心不全に対する治療を行っています。病歴聴取・採血・心電図・レントゲン・心エコーで基礎心疾患の診断と増悪因子を特定し、酸素吸入・内服・点滴(ハンプ・利尿剤)など心不全に対する一般的な治療を行い、さらに基礎疾患の治療と増悪因子の治療を行い、長期入院が必要な患者様は、近くのリハビリのできる病院へ転院としています。
2【徐脈性不整脈】徐脈性不整脈については、まず原因となる基礎疾患がないかどうか(甲状腺機能低下・電解質異常など)、内服で徐脈になる薬がはいってないかどうか(β遮断剤など)を確認し、さらにホルター心電図と自覚症状からポエースメーカー植え込みを行っています。救急で来院された患者様に対しては一時的ペースメーカーを留置した後、翌日永久ペースメーカー植え込みを行っています。高齢のため合併症を有する方が多く、細菌感染症(膿胸など)を有する患者様は徐脈であってもなるべく内服薬による治療をめざしています。
3【狭心症】狭心症の患者様は基本的に冠動脈の評価を行うことにしています。狭心症が強く疑われる患者様の中には冠動脈CTを行い、高度狭窄(90%以上)がある場合は、経皮的冠動脈形成術目的に入院していただくこともありますが、75%程度の患者様は心筋シンチや運動負荷試験で評価後に虚血が証明されれば経皮的冠動脈形成術を行っています。また、不安定狭心症の患者様の中に、多枝病変や左主幹部病変を有する患者様は内服で虚血をコントロール後に冠動脈バイパス術目的に他院に転院していただくこともあります。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 8.04 6.46 0.00 2.79
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 19 8.68 13.00 0.00 3.79
030270xxxxxxxx 上気道炎 12 4.00 4.85 0.00 1.08
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 11 6.00 7.48 0.00 3.45
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①喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし
気管支喘息重積発作・小児喘息性気管支炎
ゼイゼイ・ヒューヒュー(喘鳴)を伴う呼吸困難を主症状とする病気です。気管支拡張剤の吸入治療、ステロイド剤の注射、酸素療法などの治療を必要とします。発作症状の重症度と頻度により退院後は喘息症状を抑える治療を行います。
②腎臓又は尿路の感染症 手術なし
多くは腎盂腎炎といわれる上部尿路に細菌が感染する病気です。小児感染症のなかでも重症になることが多い病気で起因菌により1~2週間程度の抗菌治療を要します。
③上気道炎
さまざまなウイルスや細菌感染症により高熱、脱水症状を主症状とします。原因の病原体により抗菌治療や抗ウイルス治療を行います。
④てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし
てんかんは痙攣発作を繰り返す病気です。痙攣発作が長くつづいたり、繰り返したりする時には抗痙攣薬を用いた治療をおこなったり、痙攣発作後の意識状態・呼吸状態の観察入院を要します。
小児循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 60 3.30 4.31 0.00 10.75
14031xx19910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 28 3.25 4.32 0.00 0.00
14031xx003x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの等 手術・処置等2なし 25 17.48 14.87 0.00 4.44
14031xx004x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 経皮的肺動脈形成術等 手術・処置等2なし 17 4.24 5.77 0.00 11.00
14031xx101x1xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 大血管転位症手術 大血管血流転換術(ジャテーン手術)等 手術・処置等2あり 16 77.63 63.46 0.00 0.00
当院では熊本県で唯一、小児心臓外科による先天性心疾患の手術を行っています。心室中隔欠損症、心房中隔欠損症をはじめ、その他の様々な先天性心疾患の治療を小児心臓外科、新生児科などと協力して行っております。またそれ以外の不整脈、心筋症、川崎病冠動脈病変などの心疾患の診療もあわせて行っております。
当科では心臓カテーテル検査および治療を多く行っております。新生児期から成人期まで幅広い年齢層に対する入院による心臓カテーテルを行っていることが当科の特徴です。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 45 6.60 7.23 6.67 60.87
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 43 5.02 4.86 0.00 68.02
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 28 5.43 6.41 0.00 57.46
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 27 5.00 5.44 0.00 41.44
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 7.42 9.08 0.00 68.33
消化器外科の入院患者数は、胆嚢炎および胆石症(45+28例)、次いで、鼡径ヘルニア (43例)、急性虫垂炎(27例)、腸閉塞(24例)が多く、救急疾患のみならず、あらゆる消化管外科手術患者を受け入れております。積極的に、侵襲の低い鏡視下手術を行っており、患者様に、安全、安心な治療を目指して診療を行っております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 129 24.89 25.09 88.37 84.62
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 98 27.78 21.03 56.12 64.31
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 49 15.80 18.81 77.55 77.00
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 29 24.52 23.36 86.21 77.72
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 23 7.78 5.18 4.35 58.13
当院整形外科入院の患者様は、高齢者の骨粗鬆症を伴った骨折、特に大腿骨近位部骨折、胸腰椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折などが多くなっています。また変形性関節症などの関節疾患に対する人工股関節置換術、人工膝関節置換術を多数おこなっており、人工関節手術目的で入院の患者様も多くなっています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 140 2.27 2.66 0.00 69.39
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 47 7.36 9.53 4.26 72.00
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 26 10.73 10.83 15.38 76.65
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし 23 7.91 8.83 4.35 69.83
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 23 6.57 5.86 0.00 57.30
1 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし
①単発および多発大腸ポリープの大腸の内視鏡的粘膜切除術を行っています。
②基本的には1泊2日ですが、合併症予防が必要であり、リスクに応じて2泊3日の行程としております。
③これまでに重篤な合併症は起こってはいません
2 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし
①治療内視鏡を早期に行っているため、病状の改善が早く、在院日数の短縮に繋がっています。
②重症膵炎などの重篤な合併症は起こっていません。
3 内視鏡的止血術
①高齢者では脱水になることが多く、適切な補液・電解質補正を行っています。
②迅速な対応が必要なため、夜間緊急も24時間体制で行っています。
4 早期胃癌・早期大腸癌の内視鏡的粘膜下層剥離術
①計画的な切除術を術前に行い、安全かつ遺残のない切除に取り組んでいます。
5 虚血性腸炎
①高齢者が多く、抗凝固剤の内服をされている方は、通常よりも長い入院期間が必要です。
新生児内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 75 7.68 6.13 16.00 0.00
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等21あり 26 11.58 10.91 7.69 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし 25 15.16 11.19 12.00 0.00
140010x497x4xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1000g未満) 手術あり 手術・処置等24あり 21 139.14 128.89 0.00 0.00
140010x297x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術あり 手術・処置等22あり 15 39.27 34.40 13.33 0.00
新生児内科で最も多い症例は、出生体重2,500g以上の呼吸障害などの赤ちゃんです。
2番目に多いのは、その中で、人工呼吸管理を要した赤ちゃんです。
3番目は、出生体重1,500gから2,500g未満の低出生体重児の赤ちゃんでした。
4番目は当科の特徴でもある、出生体重1,000g未満の超低出生体重児の赤ちゃんでした。
5番目は出生体重1,500gから2,500g未満の低出生体重児で、仮死蘇生術などを要した赤ちゃんになります。
乳腺内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 25 8.92 10.30 4.00 65.16
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 20 4.20 6.02 0.00 67.00
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 11 2.00 4.15 0.00 57.73
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乳腺・内分泌外科は良性・悪性の乳腺疾患、甲状腺・副甲状腺疾患の治療を行っています。
 乳癌は女性のがんのなかで最も罹患率の高い疾患で、当院では手術治療として、乳房部分切除術もしくは乳房切除術、センチネルリンパ節生検もしくは腋窩リンパ節郭清術を組み合わせて行っています。最も多い手術は乳房温存手術(①腋窩郭清を伴うもの、②伴わないもの含めて)で45例でした。さらに、乳房切除術や良性乳腺腫瘍に対する手術治療も施行しております。さらに、化学療法(③入院11例)、分子標的療法、内分泌療法も積極的に行っています。
 また、甲状腺・副甲状腺疾患の外科的治療も合わせて11例となっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 43 8.60 9.68 23.26 81.26
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 12.52 18.86 62.96 72.15
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 8.44 8.18 44.00 69.92
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①③頭蓋・頭蓋内損傷
  転倒による頭部打撲では、受傷時に出血などの器質的病変がなくても、時間経過で出現することがあります。また痙攣などの症状が出現することもあります。出血により血腫を生じると脳圧亢進による意識障害や麻痺などを生じます。最近では、抗凝固剤を服用されている方も増えているので、受傷時に血腫を認めなくても時間経過で出現することもあり、入院により経過観察を慎重に行っています。
②非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)
  非外傷性頭蓋内血腫の多くは、高血圧に伴う脳出血です。脳卒中の中では脳梗塞に次ぐ疾患です。急性期には血圧管理の下、厳重な管理が必要です。血腫の増大があり、意識障害、神経症状の悪化が出現すれば、すぐに緊急で手術が出来るような体制で診療を行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 32 13.06 15.64 50.00 69.25
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 16 15.63 15.54 68.75 76.00
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2なし 10 9.30 6.36 10.00 75.70
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 5.80 7.48 0.00 53.60
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①②脳梗塞
緊急対応を要する急性期脳梗塞に対しては、24時間体制で診療しています。CTやMRI、血液検査では、D-dimerやBNPなどの検査にも終日対応でき、脳卒中学会認定1次脳卒中センターの認定も受けています。超急性期治療に続く、各種血管疾患のリスク管理や急性期リハビリテーションも充実しています。さらに回復期リハビリテーションが必要な患者様には、近隣のリハビリテーション病院と連携することで、継ぎ目のない医療を提供することができます。
③一過性脳虚血発作
脳梗塞発症につながりかねない一過性脳虚血発作に対しても、脳梗塞同様に対応しています。CTやMRI、場合によっては、RI検査、超音波検査、循環器系疾患の検査なども行って、発症機序に応じた治療を行います。
④てんかん
てんかん発作の際には、速やかに発作のコントロールを行います。CTやMRI、脳波などの検査を行い、てんかんの原因の精査を行うこともできます。また、その結果を検討して、発作再発に対する治療も行います。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 25 4 7 9 7 4 1 8
大腸癌 5 20 14 15 12 1 1 8
乳癌 13 20 11 2 6 11 1 8
肺癌 8 6 12 70 2 30 1 8
肝癌 1 1 5 1 2 0 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院が新病院に移行し、急速に患者数が増えている。それに伴い、5大がんの診断と治療に関しても増加している。当院は、消化器内科・外科、乳腺・内分泌外科、呼吸器内科を有しているために、5大がん全てで増加している。但し、今の時点では、新規患者さんが中心であり、再発の患者さんの数が少ないのは、新病院から診療を開始したためと思われる。今後、再発の患者数も増えていくと予想している。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 15 10.53 56.07
中等症 39 13.54 79.67
重症 5 15.40 78.00
超重症 1 7.00 81.00
不明 0 0.00 0.00
成人市中肺炎症例は60例が入院し、9割は軽症、中等症でした。軽症例は比較的若い患者さんが多く、平均10日で退院しています。中等症、重症例は平均年齢が80歳と高齢者が多く、平均在院日数は14日前後で退院あるいは転院されています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 106 16.73 76.09 53.54
その他 21 11.90 73.19 7.87
令和元年度新病院開院段階では、診療体制の問題や救急受け入れ制限がありましたが、令和2年度には緩和され、患者数は増加しており、熊本地震前の状況に復帰しつつあります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 61 0.98 8.72 4.92 49.21
K879 子宮悪性腫瘍手術 37 1.32 18.41 0.00 58.62
K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) 34 1.59 8.29 0.00 37.59
K867 子宮頸部(腟部)切除術 33 1.03 1.00 0.00 37.09
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 23 2.39 12.13 0.00 55.17
①「子宮全摘術」は子宮筋腫等の子宮の良性腫瘍や子宮体癌や子宮頸癌の前癌病変に対する開腹手術です。
②「子宮悪性腫瘍手術」は、子宮体癌、子宮頚癌に対する開腹により、子宮だけでなく子宮周囲の組織を子宮と共に合併切除と後腹膜のリンパ節摘出を行う手術です。
③「子宮筋腫摘出(核出)術(腹式)」は、開腹で子宮筋腫のみを子宮から摘出する手術で、子宮は温存します。
④子宮頸部(腟部)切除術は、子宮頸癌の前癌病変し、経腟的に子宮の出口の一部を切除する手術です。
⑤「子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)」は開腹による卵巣癌に対する根治術で、卵巣卵管だけでなく子宮や大網、後腹膜のリンパ節切除が含まれます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 63 0.03 1.03 0.00 61.40
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 50 1.48 7.24 4.00 74.16
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 31 0.45 5.77 6.45 75.13
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 14 1.71 11.71 0.00 68.79
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 13 1.00 12.23 0.00 70.77
①体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)は、音波の一種である衝撃波を体の外から結石に向けて照射し、結石のみを細かく破砕する治療法です。砂状に破砕された結石は尿とともに自然に体外に排出されます。
②膀胱悪性腫瘍に対する経尿道手術とは、麻酔下に尿道から手術用の内視鏡を膀胱内に挿入し、膀胱腫瘍を先端がループ状になった電気メスで切除する手術です。
③経尿道的尿管ステント留置術とは、尿管が結石や狭窄、外からの圧迫などで閉塞し尿が流れない状態になったとき、尿の流れを改善する目的でステントという管を留置する手術のことをいいます。痛みが強いときや腎盂腎炎を起こしているときに適応となります。
④腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術とは、腎・腎盂・尿管腫瘍に対して行う腹腔鏡手術(内視鏡手術)です。従来の開腹手術に比べ創が小さく、術後の痛みが軽度であるなどの利点があります。
⑤腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術は前立腺がんに対して行う腹腔鏡手術(内視鏡手術)です。従来の開腹手術に比べ創が小さく、術後の痛みが軽度であるなどの利点があります。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 501 0.50 1.53 0.20 74.97
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 91 0.65 7.26 0.00 64.59
K2422 斜視手術(後転法) 58 1.00 1.05 0.00 19.71
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 28 0.54 5.61 3.57 62.96
K279 硝子体切除術 13 0.62 5.15 0.00 66.69
1.【白内障手術】基本的に入院で手術を行っています。局所麻酔下、超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入術が主体です。水晶体核が硬い、チン小帯が脆弱などの難症例ではECCEやICCEの術式選択を検討しています。眼内レンズ水晶体嚢内、嚢外固定が困難な症例では、眼内レンズ縫着術、眼内レンズ強膜内固定術を同時、もしくは後日行っています。小児例など全身麻酔が必要な場合は全身麻酔での手術になります。
2.【斜視手術】共同性斜視、麻痺性斜視に対し手術を行っています。統計上は後転術が最も多い術式ですが、斜視手術の術式としては後転法、前転法、斜筋手術などがあり、症例ごとに最も有効な術式を組み合わせて手術を行っています。基本的に全身麻酔での手術になります。
3.【硝子体手術(硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む・その他)・硝子体切除術】増殖糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑上膜、裂孔原性網膜剥離、増殖性硝子体網膜症、硝子体出血、眼外傷などが対象症例です。緊急手術にも対応しています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 27 0.70 2.00 11.11 73.11
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 26 6.15 4.08 23.08 67.69
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) 14 0.00 3.29 7.14 75.79
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 10 4.20 11.00 10.00 64.80
- - - - - - -
最も多い治療は経皮的シャント拡張術・血栓除去術となっており、次いで自己血管を用いた内シャント設置術、人工血管を用いた血管移植術となっている。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 33 0.82 1.00 0.00 3.58
K8351 陰嚢水腫手術(交通性陰嚢水腫手術) 16 0.94 0.94 0.00 3.88
K819 尿道下裂形成手術 13 1.00 11.92 0.00 2.00
K836 停留精巣固定術 11 1.00 1.00 0.00 2.55
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小児外科の患者・手術件数は腹膜の開存という軽度な先天異常である鼠径ヘルニア(脱腸)が最も多く、件数は出生数の増加がみられないことからほぼ一定しております。第2位の陰嚢水腫は鼠径ヘルニアと原因を同一にするもので、開存の程度が軽度であるために腹水のみが陰嚢に溜まってくるというものです。腸管の嵌頓などのリスクはないものの精巣機能障害の恐れや心理的な影響が考えられるために手術適応となっています。3位は男児の尿道の形成異常を呈する尿道下裂で、亀頭からわずかにずれているものから陰嚢部に開口しているものまでバリエーションがみられます。そのため手術術式も複数あり、個々に適した術式を選択する必要があり難易度の高い疾患と言えます。次いで、本来腹腔から陰嚢に下降するべき精巣が途中で止まってしまう停留精巣が多くみられ、1歳頃に精巣を陰嚢内に固定する精巣固定術を行います。以上、尿道下裂(本疾患のみ約2週間の入院)を除く3疾患はできるだけ小さい創で主に1泊~2泊にて診療を行っており、短期の入院でご家族の経済的、社会的負担の軽減につながっていると思われます。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 27 0.22 5.04 0.00 79.59
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 12 0.25 1.67 0.00 39.08
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) 12 0.17 2.50 0.00 45.92
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 10 0.50 1.80 0.00 47.30
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良性腫瘍、悪性腫瘍ともに手術をおこなっております。腫瘍切除に伴う皮膚欠損が大きいときには植皮術なども行います。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 73 5.25 6.52 0.00 31.51
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 52 3.02 5.90 1.92 33.44
K9122 異所性妊娠手術(腹腔鏡によるもの) 10 0.40 3.50 0.00 31.40
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当院は総合周産期母子医療センターに指定されており、母体・胎児集中治療管理室(MFICU)において切迫早産や産科合併症症例を妊娠22週という早期から受け入れ、新生児集中治療室(NICU)と共同でこれらのハイリスク妊娠例と出生児に対する高度な医療を提供しています。このため、緊急搬送されそのまま緊急帝王切開術となる例も多く、そのほかに反復帝王切開例をはじめとする予定帝王切開例の症例も増加しています。最近では、異所性妊娠に対する内視鏡手術例も増加しています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 70 1.14 3.47 0.00 24.81
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 33 1.48 2.21 0.00 53.45
K347 鼻中隔矯正術 20 1.40 2.30 0.00 47.55
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 18 1.11 3.06 0.00 55.22
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 17 1.47 2.24 0.00 58.88
1  口蓋扁桃手術(摘出)
術後は創部が露出したままですので、合併症として最も問題となるのは出血です。1割程度に起こり、比較的多量の場合もあるものの、そのほとんどの場合は自然に軽快しています。ただ、稀に緊急全身麻酔下手術とすることがあります。個人差は大きいものの、術後は嚥下時痛が2,3週は続き、その間ほとんどの方が鎮痛薬を必要とします。術後の治療は特にありませんので、基本的に入院期間は術後3日間までとしています。早期退院を希望し手術翌日退院される方もおられます。
2 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)
現在、副鼻腔炎の手術はほとんどの場合、内視鏡下鼻内のみの操作で行い、以前のように顔面や口内の切開を必要とすることは稀です。鼻内の広範囲が創面となるため、止血目的で鼻内にガーゼを留置し、基本的には手術翌日に抜去、術後2日目に退院としています。入院される方の手術はほとんど全身麻酔下となっていますが、病状によっては局所麻酔下・外来手術も可能です。なお、術後の鼻内の変化は個人差が大きく、術後の鼻処置が手術と同等に重要となることがあります。また、アレルギーや特に喘息のある方は、術後の再発傾向が強いことを術前によく理解していただく必要があります。
3 鼻中隔矯正術
比較的高度の鼻中隔弯曲により鼻閉を生じている場合や、鼻中隔弯曲が内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)の妨げとなる場合に行います。ESSと同様内視鏡下鼻内での操作になります。
4耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術)
耳下腺腫瘍の9割程度は良性です。術前に細胞診は行った上で術式は決定しますが、摘出した組織に対して確定診断が下されます。術前には良性腫瘍を疑がわれていたものの、最終的には悪性腫瘍と診断される場合が時々あるということです。耳下腺内を顔面神経が走行しているため、手術の合併症として顔面の運動麻痺を生じる危険性があります。なお、良性腫瘍も様々に分類されますが、多くは多形腺腫とワルチン腫瘍です。後者はほとんど喫煙者にしか生じません。
5内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)
上記2と同様の手術ですが、操作が前頭洞・篩骨洞・上顎洞・蝶形骨洞と副鼻腔全体に及ぶ場合です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 18 4.72 9.33 11.11 79.39
K597-2 ペースメーカー交換術 13 1.00 8.00 0.00 83.08
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) - 7.57 5.43 0.00 73.29
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1 徐脈性不整脈については、まず原因となる基礎疾患がないかどうか(甲状腺機能低下・電解質異常など)、内服で徐脈になる薬がはいってないかどうか(β遮断剤など)を確認し、さらにホルター心電図と自覚症状からポエースメーカー植え込みを行っています。救急で来院された患者様に対しては一時的ペースメーカーを留置した後、翌日永久ペースメーカー植え込みを行っています。高齢のため合併症を有する方が多く、細菌感染症(膿胸など)を有する患者様は徐脈であってもなるべく内服薬による治療をめざしています。

2 狭心症の患者様は基本的に冠動脈の評価を行うことにしています。狭心症が強く疑われる患者様の中には冠動脈CTを行い、高度狭窄(90%以上)がある場合は、経皮的冠動脈形成術目的に入院していただくこともありますが、75%程度の患者様は心筋シンチや運動負荷試験で評価後に虚血が証明されれば経皮的冠動脈形成術を行っています。また、不安定狭心症の患者様の中に、多枝病変や左主幹部病変を有する患者様は内服で虚血をコントロール後に冠動脈バイパス術目的に他院に転院していただくこともあります。

小児循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独) 33 3.42 14.88 0.00 2.88
K566 体動脈肺動脈短絡手術(ブラロック手術、ウォーターストン手術) 11 31.18 32.27 0.00 0.09
K570-3 経皮的肺動脈形成術 11 1.09 2.18 0.00 9.91
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当院では熊本県で唯一、小児心臓外科による先天性心疾患の手術を行っています。心室中隔欠損症、心房中隔欠損症をはじめ、その他の様々な先天性心疾患の治療を小児心臓外科、新生児科などと協力して行っております。またそれ以外の不整脈、心筋症、川崎病冠動脈病変などの心疾患の診療もあわせて行っております。
当科では心臓カテーテル検査および治療を多く行っております。新生児期から成人期まで幅広い年齢層に対する入院による心臓カテーテルを行っていることが当科の特徴です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 123 1.06 25.04 62.60 67.60
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 85 3.91 17.84 84.71 81.15
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 59 4.47 20.22 88.14 83.29
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 37 3.03 10.73 35.14 66.59
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 26 4.04 24.69 50.00 69.00
当院整形外科手術は、股関節・膝関節手術、脊椎手術、外傷手術が多くなっています。変形性関節症、関節リウマチ、骨壊死などに対する人工関節置換術は一般的に良好な成績であることが知られています。当科ではさらに最小侵襲手技やナビゲーション使用などでさらなる成績向上に取り組んでいます。脊椎手術については、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなど、頚椎から腰椎の脊椎疾患の手術的治療が可能です。特に、内視鏡を用いた手術を導入し、椎間板ヘルニア及び脊柱管狭窄の手術を行っています。大腿骨頚部骨折や橈骨遠位端骨折など骨折全般に対する手術をおこない、出来るだけ早く社会復帰していただけることを目指しています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 133 0.11 1.40 0.75 69.55
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 61 1.54 9.52 27.87 78.20
K654 内視鏡的消化管止血術 25 0.44 8.12 12.00 75.08
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 20 0.90 5.65 0.00 72.55
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 18 1.11 8.89 22.22 76.33
1  小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし
①単発および多発大腸ポリープの大腸の内視鏡的粘膜切除術を行っています。
②基本的には1泊2日ですが、合併症予防が必要であり、リスクに応じて2泊3日の行程としております。
③これまでに重篤な合併症は起こってはいません
2 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし
①治療内視鏡を早期に行っているため、病状の改善が早く、在院日数の短縮に繋がっています。
②重症膵炎などの重篤な合併症は起こっていません。
3 内視鏡的止血術
①高齢者では脱水になることが多く、適切な補液・電解質補正を行っています。
②迅速な対応が必要なため、夜間緊急も24時間体制で行っています。
4 早期胃癌・早期大腸癌の内視鏡的粘膜下層剥離術
①計画的な切除術を術前に行い、安全かつ遺残のない切除に取り組んでいます。
5 虚血性腸炎
①高齢者が多く、抗凝固剤の内服をされている方は、通常よりも長い入院期間が必要です。
新生児内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 55 0.00 54.58 9.09 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 17 0.00 94.59 0.00 0.00
K6335 鼠径ヘルニア手術 - 111.75 26.50 0.00 0.00
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新生児内科の手術件数で最も多いもの、2番目に多いものは、新生児仮死蘇生術になります。出生時の適応障害などで新生児仮死として出生する赤ちゃんは意外と多く、この処置が必要となります。
乳腺内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 19 2.58 7.68 10.53 68.79
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 18 0.89 2.44 0.00 67.11
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) - 1.00 3.33 0.00 62.17
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乳腺・内分泌外科は良性・悪性の乳腺疾患、甲状腺・副甲状腺疾患の治療を行っています。
 乳癌は女性のがんのなかで最も罹患率の高い疾患で、当院では手術治療として、乳房部分切除術もしくは乳房切除術、センチネルリンパ節生検もしくは腋窩リンパ節郭清術を組み合わせて行っています。最も多い手術は乳房温存手術(①腋窩郭清を伴うもの、②伴わないもの含めて)で45例でした。さらに、乳房切除術や良性乳腺腫瘍に対する手術治療も施行しております。さらに、化学療法(③入院11例)、分子標的療法、内分泌療法も積極的に行っています。
 また、甲状腺・副甲状腺疾患の外科的治療も合わせて11例となっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 34 0.62 9.53 26.47 82.44
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - 3.11 20.22 44.44 44.00
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - 0.86 16.14 28.57 70.29
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①慢性硬膜下血腫:軽微な頭部外傷を契機として生じる疾患です。認知機能低下や歩行障害などの症状を生じます。局所麻酔下に穿頭血腫洗浄術を行い、ドレナージチューブを留置します。通常翌日にCT検査を行い、チューブは抜去します。血腫が除去できれば症状の改善が期待できる疾患です。
②頭蓋内腫瘍摘出術:腫瘍により脳が圧迫されることで、頭痛や麻痺など神経症状がある場合には摘出術を行います。手術時には、腫瘍の部位を正確に把握するために神経ナビゲーションと脳機能を温存させる目的で神経モニタリングを併用しながら行います。摘出標本は、手術後に病理診断を行い、悪性所見があれば、後療法として放射線治療や抗癌剤治療を追加します。
③脳動脈瘤頚部クリッピング:脳動脈瘤が破裂することでくも膜下出血を生じます。再破裂により死亡する可能性が高いので、再破裂防止目的での治療が必要です。患者さんの状態や動脈瘤の性状によって治療法を選択します。状態がよければ、開頭により直接脳動脈瘤の頚部をクリップします。


消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 80 1.31 4.71 5.00 60.56
K6335 鼠径ヘルニア手術 40 1.13 3.20 0.00 69.43
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 29 0.28 3.83 0.00 42.34
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 21 4.43 10.33 4.76 73.43
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 13 0.31 5.92 0.00 53.15
消化器外科の手術件数は、腹腔鏡下胆嚢摘出術(80例)、次いで、鼡径ヘルニア手術(40例)、腹腔鏡下虫垂切除術(29例)、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除(21例)が多く、積極的に、侵襲の低い鏡視下手術を行っております。当院では、癌を中心とした予定手術のみならず、急性胆嚢炎、急性虫垂炎、腹膜炎などの緊急疾患にも広く対応しており、患者様に、安全、安心な治療を目指して診療を行っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.01
異なる 15 0.20
180010 敗血症 同一 5 0.07
異なる 16 0.21
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0.00
異なる 0 0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一 12 0.16
異なる 1 0.01
臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌症、手術・術後の合併症について発症率を集計しています。
【指標の定義】
播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・術後の合併症について、入院契機病名(DPC6 桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数と発生率を示しています。
【解説】
播種性血管内凝固症候群や敗血症は原疾患治療中に発生する合併症と考えます。
これらは重篤な合併症であるため、症例数、発生率について病院全体で減少に取り組んでまいります。
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