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知っておきたい!新型インフルエンザの話

副院長 岳中耐夫

 豚インフルエンザウイルスの電子顕微鏡写真。ウイルス表面に淡い綿状の部分がある。

 インフルエンザウイルスにはA型、B型及びC型がある。A型が大流行を起こす。
 A型はウイルス表面にHA,NAと呼ばれる二つの蛋白を有している。これらによりウイルスの抗原性が規定される。つまり、H3N2(香港かぜ)、H1N1(スペインかぜ)、そして今回の新型もH1N1(豚インフルエンザ)の亜型ということです。

 ヒトインフルエンザの流行史です。

 約100年前にH2N8、H3N8の流行があり、1918年から約40年間スペインかぜが流行し、1957年よりアジアかぜが出現。次いで、現在流行している香港かぜとソ連かぜとなります。

 今回の豚インフルエンザがこれに次いで季節型として流行していくのかはまだ不明です。

 今回の豚インフルエンザはメキシコから始まったと言われていますが、年齢分布を見ますと、30歳以下の若年層で70%を占めています。高齢者の感染は少なかったようです。
 この傾向は世界中でも日本でも同様です。

 米国の症例で見ますと、やはり年齢は18歳未満で60%異常を占め、若年層に多い傾向です。
 症状は表のように通常のインフルエンザと同様です。下痢が多いのが特徴です。しかし、神戸の症例では多くはありません。

 これまでの経緯です。4月25日にWHOが警告を出しましたが、すぐにフェーズ4~5となり、6月12日にフェーズ6(大流行)となりました。
 日本では5月16日に神戸で国内1例目が認められ、熊本県でも6月21日に八代にて、熊本市では6月22日に1例目が出ました。

 平成21年11月までに表のような状態となっています。
 現在までの死亡率は、日本では予想以上の低率です。

 当院では4月末より多数の患者を治療しています。
 新型インフルエンザの発生初期の頃の、迅速診断をしている写真です。感染防御は厳重にしています。

 当院での迅速診断の結果です。
 11月がピークでしたが、陽性率は30%程度となっています。
 感染していても陽性とならない場合もあります。

 重症あるいは死亡した症例を検討しますと、死亡例ではウイルス性肺炎が引き金となり多臓器不全で亡くなくなっています。
 リスクの高い原因があると重症化しやすいことも分かっています。

 感染対策としては、豚インフルエンザは飛沫と接触感染が考えられますので、標準予防策すなわち手洗いを主として対策すれば十分です。
 医学的予防はワクチンになります。昨年10月より優先順位が付けられ、接種が開始されています。現在も進行中です。
 治療は抗ウイルス剤が主です。新しい薬も開発中です。

 感染対策として、インフルエンザにかかって咳が出る方は、表のように「咳エチケット」を守りましょう。他人に感染させないためには、マスクも有効です。

 感染対策の1番は、手洗いを十分にすることです。石けんで洗ってアルコール性剤で消毒したらさらに良いです。

 新型インフルエンザに関して、現在までに分かっていることをまとめています。
 早期診断、早期治療が重要です。
 手遅れやリスクのある患者は重症化しやすいです。

 人に頼らず自分で出来ることを考えておきましょう。
 そして、発病した場合は他人に感染させないことを認識して行動しましょう。