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外科 山下裕也
足の静脈が瘤のように膨らむ病気です(図1)。医学的に言いますと、表在静脈の弁が壊れて血流が逆流することで発症します。下肢静脈瘤には大きさによって4つのタイプがあり、それぞれ単独あるいは複合してできています(表1)。有病率は30歳以上で既に50%を越えており、70歳以上になりますと4人に3人は静脈瘤を抱えていると言われています。
![]() 図1 | ![]() 表1 |
静脈瘤は様々な原因で発症しますが、最も多いのは妊娠や出産に伴ったものです。従って全体の60~80%は女性に発症します。他にも立ち仕事に従事する人や遺伝なども関係すると言われています(表2)。
![]() 表2 |
瘤は急に膨らむものではなく徐々に膨らんできますので、症状が現れるまでにはかなりの年月を要するのが一般的です。症状は、本来心臓に戻って全身を循環するべき血液が足に停滞した状態ですので、足にその分のおもりをつけていることになります。つまり下肢のだるさや重たい感じ、腫れなどが主な症状です。さらにこむら返りなども見られます(図2)。また局所症状としてかゆみ、湿疹、色素沈着、瘤の血栓形成などがあり、ひどくなると潰瘍を作ることもあります(図3)。
![]() 図2 | ![]() 図3 |
外来での診察でほとんど診断がつきます。すなわち簡単な理学検査に加えて、ドプラ血流計を用いて静脈の逆流部位や程度をしらべます。ただし、潰瘍などを形成していたり特殊な原因による静脈瘤が疑われるときには、血管造影などの検査が必要なこともあります。
保存的治療と根治治療の2つに分けられます。保存的治療とは弾性ストッキングによる圧迫治療のことです。症状は軽快しますが、根治治療ではないのでこれで治るものではなく予防に有用です。根治治療には硬化療法と手術の2つがあります。硬化療法は、静脈瘤に直接小さな針を刺して、硬化剤という瘤ごと固める薬を注入します。主として網状タイプやクモの巣状タイプといった、小さい静脈瘤に適しています。外来でできるのが利点ですが、経過観察期間が長く必要で大きめの静脈瘤に対しては再発率がやや高くなるのが難点です。手術治療は主として伏在静脈瘤や側肢静脈瘤に対して行います。静脈瘤の表面に1~2cm程度の傷を数ヶ所つけて瘤そのものを摘出し、さらに大腿部の静脈を抜去します。入院が必要ですが再発が極めて少なく、全体の経過観察期間も短期間で済みます(図4)。
![]() 図4 |
当院での手術治療の入院期間は原則的に3泊4日ですが、片足のみの方は2泊3日でも可能です(表3)。
![]() 表3 |