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喘息とCOPD(肺気腫)

熊本市民病院呼吸器科 福田浩一郎

市民のための健康講座(平成18年1月19日)より

 気管支喘息とは、咳や痰、喘鳴(ゼーゼーヒューヒュー)、発作性の呼吸困難がおこる病気です。原因はハウスダストやダニ、ペットなどによるアレルギーのこともありますが、約半数の患者さんは原因不明です。適切な治療により症状が消失、肺機能も正常化し、健康人と全く同様に日常生活を送ることが可能となります。一方、COPDの原因は喫煙がほとんどであり、慢性の咳や痰、体動時の息切れなど喘息と似た症状を呈することがあります。COPDは喘息と違って一度障害された肺機能が正常化することはありません。しかし適切な治療により肺機能もある程度は改善し、自覚症状も軽減します。


図1

気管支喘息について

 喘息は小児から70歳代まで幅広い年齢層で発症します。有症率は3~4%とかなり多い病気であり、通常、夜中から早朝にかけて悪化し、昼間は自然に改善することがあります。喘息の本態は、慢性の好酸球性気管支炎であり、このため気管支は非常に過敏となり気管支が収縮しやすくなっています。従って治療は好酸球性気管支炎の特効薬であるステロイドホルモン剤、特に副作用の少ないステロイド吸入薬が第1選択薬となっています。これにはフルタイドやパルミコート、キュバールなどがありますが、今後も新薬が発売になる予定です。他に長期連用すると副作用が心配であるプレドニゾロンやメドロールなどの経口ステロイド剤、副作用の少ない内服薬の抗ロイコトリエン薬などが抗炎症作用のある薬剤です。症状をとる治療=気道収縮の治療も必要であり様々な気管支拡張剤が使われますが、これも副作用の少ない吸入薬の方が安全に使用できます。長時間作動性β刺激剤のセレベント吸入は1回吸入すると約12時間効果が持続しますので、朝吸入すると昼間の仕事や運動などが楽に行えますし、夜中から早朝にかけて悪化する場合には、寝る前に吸入すると症状が出なくなります。また、発作時にはメプチンやサルタノールなどの短時間作動性β刺激剤吸入(発作止め)がすぐに効いて最も強力であり、副作用も少なく広く使われています。気管支拡張薬は症状が良くなるためこれだけに頼りがちですが、そうすれば喘息がだんだん悪化することが分かってきました。必ず吸入ステロイド剤との併用が必要です。

 このような薬剤を使った喘息治療の目標は、(1) 喘息症状がない(発作止め吸入が不要)、(2) 健常人と全くかわらぬ日常生活が送れること、(3) 肺機能が正常化すること、(4) 薬剤による副作用がないこと、です。大半の患者さんは適切な治療によりこの目標を達成することができます。ただし長期間の治療が必要であり、焦らず根気よく喘息と闘っていきましょう。必ず楽になります。


図2

COPDについて

 肺気腫や慢性気管支炎とも呼ばれていましたが、最近は慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病名で呼ばれるようになりました。通常は中高年で発症し、95%以上はタバコが原因ですが、受動喫煙でも発症することがあります。現在、約530万人がCOPDに罹患していると考えられており、そのうち約20万人がCOPD治療のために通院しておられます。COPDは肺胞が破壊され肺がスカスカになったり、空気の出入りを行う気管支が狭くなったりすることで、息苦しさや咳、痰が出る病気です。じっとしていればどうもない人でも、急いで歩いたり階段を登ったりするときに息切れが出現します。治療の基本は言うまでもなく禁煙ですが、細くなった気管支を広げる気管支拡張剤の吸入や貼付薬も有効です。その他、呼吸リハビリテーションで排痰法や腹式呼吸などを訓練すれば自覚症状を軽くすることができます。


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