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熊本市民病院では現在各種アレルギー疾患患者の診断・治療において、それぞれの疾患に対して各専門医が診療しています。アレルギー性疾患は、例えば気管支喘息とアレルギー性鼻炎のように関連して一人の患者でも合併していることもあり、当院では各科で診療していますが、必要に応じて各科と連携をとり、チーム医療として対応しています。
現在、当院では、
を其々診療しています。
患者様が希望される科を総合受付にて相談されれば各疾患に応じて専門医が診療いたします。また複数科での診療の必要性がある場合も総合的に対応いたします。次にこれらの疾患に対する各科の対応を述べます。
成人気管支喘息は呼吸器科で診療しております。喘息慢性期は、ピークフローモニタリングや肺機能検査等の客観的指標を用いて喘息状態を評価し、それに合わせた治療法を選択します。治療法についてはGINAなどの世界的なガイドラインを参考にしています。吸入ステロイド剤が治療の中心です。これは全身性の副作用はほとんどなく、安全に使用できます。喘息急性期(発作時)は、気管支拡張症剤の吸入やステロイド点滴などの治療が呼吸器科外来や救急外来にて行えます。24時間体制で対応しておりますので、いつでも受診されてください。また、いつでも入院治療が可能です。
現在、毎月数百名の患者様が当院を受診されておられますが、定期的に正しい治療を行えば発作はまったく認められなくなり、救急受診は不要となります。もし、時々発作をおこすような喘息患者様がおられましたら是非、当院を受診ください。きっと発作はなくなります。
アレルギーとは「生体がある物質に2回目に、あるいは連続して遭遇するときに示す特異的な反応性の変化」と定義されています。アレルギーは現在、別名過敏症ともいわれ、抗原(アレルゲン)に対して、生体が過敏に反応する免役反応とされています。アレルギーは小児から大人まで全ての年齢に起こりますが最近は新聞、テレビなどで報道されているうちに、以前に比べ増加しています。当院でのアレルギー疾患の対応は症状別に各診療科で行っており、ほとんどのアレルギー疾患に対応可能です。小児科は他の科との連携でおこなっている場合が多く、小児科単独で治療することは限られています。以下に主なアレルギー疾患を述べます。
ミルクアレルギーは人工乳を与えた場合におこります。主な症状は下痢、嘔吐、発熱などですが個人差があります。ミルクアレルギーに対しては治療ミルクがあります。小児科で対応しています。 食物アレルギーで昔から有名なのは「そば」「青魚」などの蕁麻疹がありますが、その他の食物でアレルギーをおこすものは多数あります。蕁麻疹の場合は皮膚科と連携して診療しています。小児では卵アレルギーが多く、卵あるいはお菓子などの卵を含む食品を食べた時に皮膚に発赤疹をみることがあります。卵アレルギーと判明すれば、症状により卵製品をひかえるようにします。
アトピー素因を持つ者に発症する湿疹様皮膚病変をアトピー性皮膚炎といいます。乳児期、特に2~3ヵ月から6ヵ月に発症しますが1~2歳で発症することも少なくありません。顔面、頭部、頚部、体幹、四伸側に紅斑、丘疹が出現し掻痒感が強く掻きむしります。症状により皮膚科と連携して診療をおこなっています。
小児から大人までみられますが、小児の場合は小児科で対応しています。治療は日本小児アレルギー学会による「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」により行っています。
近年、先進国ではアレルギー性鼻炎の患者さんは急増しています。先進国の約20%の人は、アレルギー性鼻炎に罹っているといわれています。その原因としては、抗原(アレルギーを引き起こす原因)量の増加、大気汚染、栄養、ライフスタイルの変化などが考えられます。また、最近はアレルギー性鼻炎の発症の低年齢化がおこっており、1歳8ヵ月で発症する子供も報告されています。アレルギー性鼻炎の原因は、代表的なものはスギ花粉症であり、その他、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなどの花粉が有名です。花粉症は花粉が飛散しなくなると鼻炎の症状はなくなりますが、室内塵(ハウスダスト)、ダニ、猫など一年中、鼻炎の症状を引き起こすものまであります。なぜ急にアレルギー性鼻炎を発症する体質になるかはいろいろな説がありますが、現在研究中です。
くしゃみ、鼻水、鼻閉が3大症状です。その他、眼のかゆみ、皮膚のかゆみなどを伴うことも多数あります。
アレルギー性鼻炎の診断は、症状に加え、鼻の粘膜が蒼白であること、鼻水の検査にてアレルギー性疾患でよく認められる好酸球があることなどで診断は数分で容易に可能です。また、何にアレルギーがあるかどうかを調べるために血流検査や、鼻に抗原エキスを染み込ませたディスクをおいてアレルギー性鼻炎の症状が出現するかどうかで判断します。
原則は、抗原が鼻の中に入らなければ症状は起こりません。そのため、マスクなどで予防することが大切です。最近では、鼻炎様マスクがたくさん販売されています。次に、投薬ですが、飲み薬、点鼻薬などがあります。眠気の副作用も数%に認めますが、眠気がないアレルギー用の薬もあります。その他、ステロイドホルモンの注射もありますが、副作用も多く基本的には、お勧めできません。減感作療法といって、抗原を注射し、体のアレルギーの体質を変える治療もあります。注射は1週間に1回し、維持量になったら(約2ヵ月)1~2ヵ月に1回の頻度で注射します。約70%の人に効果があります。アレルギー性鼻炎の体質を変えるものではありませんが、鼻閉でお困りの患者さんに対し手術的治療を選択することもあります。レーザーで鼻粘膜を焼いて鼻の通りを良くする治療(局所麻酔)や、鼻中隔湾曲症がひどい人はそれをまっすぐにする手術(全身麻酔)をおこない鼻閉が改善する人もいます。
アトピー性皮膚炎の診断・治療に関しては「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎ガイドライン」があり、その最新版によれば、アトピー性皮膚炎は表皮のなかでも角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリアー機能異常という皮膚の生理的異常を伴い、多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生ずる、慢性に経過する炎症と掻痒をその病態とする湿疹・皮膚炎群の疾患であると規定されています。ともすればアトピー性皮膚炎は皮膚を病変の場とした純粋なアレルギー疾患として理解されがちですが、上記のガイドラインの規定のように、実際は遺伝的素因も含んだ多病因性の疾患です。当科ではこのことを念頭におき、一人一人の患者さんで異なる悪化因子の検索やそれに基づいた個別的な生活指導、治療選択を行っています。
蕁麻疹は膨疹、すなわち紅斑を伴う一過性、限局性の皮膚の浮腫が病的に出没する疾患であり、多くは痒みを伴っています。通常個々の膨疹は跡形を残すことなく24時間以内に消退します。アレルギー性あるいは非アレルギー性の何らかの機序により皮膚マスト細胞が活性化脱顆粒し、ヒスタシンを初めとする化学伝達物質が皮膚組織内に放出されることにより膨疹は生じます。蕁麻疹におけるマスト細胞の活性機序としては抗原特異的IgEを介したⅠ型アレルギーが広く知られていますが、そのほか感染、ストレス、食品添加物、薬剤、膠原病など種々の因子が蕁麻疹の病態に関与しています。当科では日本皮膚科学会が策定した「蕁麻疹・血管性浮腫の治療ガイドライン」に従って原因検索、病型確定を行うとともに、それぞれに適した治療法の選択を行っています。
目は外界に向かって開いているために、とても外界の刺激を受けやすい場所です。白目の皮やまぶたの裏をおおう粘膜は、外からの異物などが目の奥に入り込まないように袋状の構造をしていて、結膜と呼ばれています。ここはいつも涙でぬれていて、目の動きをスムーズにしています。この場所にアレルギーをひき起こす原因物質(アレルゲン)がくっつくことで、アレルギー性結膜炎がおこってきます。アレルゲンには、春先に多い花粉が有名ですが、家の中にいるダニやほこり、またペットの毛(専門的にはハウスダストと呼んでいます)などがあります。花粉は季節性に症状がでますが、ハウスダストによるアレルギー症状は一年中起こる可能性があり、通年性の結膜炎の原因となります。また重症のアレルギー性結膜疾患に春季カタルというものもあります。
ヒトは外部の細菌やウイルスなどの異物や、体内に異常な細胞が発生したときに、自分自身で抗体というものを作り、異物や異常細胞を排除しようとする機能を持っています。この機能を免疫と呼んでいます。免疫は本来、ヒトを守ってくれる働きをしていますが、マイナスの働きをして病気を起こすことがあります。これがアレルギーです。花粉やダニ、カビなどの異物(アレルゲン)が目の表面につくと、それに対する抗体が作り出されます。抗体とアレルゲンが肥満細胞という免疫を担当する細胞に作用すると、ヒスタミンなどのさまざまな化学伝達物質が肥満細胞から吐き出されます。これが神経や血管に作用してアレルギーの症状を引き起こします。
アレルギー性結膜炎の症状としては、まず目やまぶたがかゆくなります。目をこすったり、かいたりしていると次第に痛みがでてきて、目がゴロゴロしてきます。そのまま放っておくと結膜が充血して、まぶたが腫れてきます。さらに症状が悪化すると、透明な角膜(黒目)の周囲が赤くなってきて、目やにがでてきます。まず、かゆい段階で眼科に受診するようにして下さい。