CKD対策の成果と食事療法について

 CKDの概念が米国腎臓財団より提唱され、本年で13年を迎えました。熊本市は人工透析の割合が全国と比べて高い水準にあり、全国に先駆けて平成21年からCKD対策を開始していますが、多くの先生方に病診連携のご協力を頂き、成果が見えてまいりました。新規人工透析患者数は減少、特に若い世代の導入が減少しております(平成25年(対平成21年):新規透析患者35人減少、65歳未満20人減少)。この4年間で想定された医療費からは、約4億円(累計)の医療費削減と試算されました。
 新規透析導入患者の原因疾患としては糖尿病性腎症や腎硬化症の占める割合が高く、やはり生活習慣の是正が大きな課題です。CKD対策のなかでも重要な要素の一つが食事療法であり、日本腎臓学会より『慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版』が改訂されました。GFRによるステージごとに、各摂取基準が示されています。また、最近の新たに注目すべき病態である、サルコペニア、Protein-energy wasting(PEW)、フレイルの解説が加わっています。制限も重要ですが、摂取不足による低栄養も問題となっており、食事指導は各患者さんに合わせて行うことが大切です。
慢性腎臓病に対する医療療法基準2014

さてステーキ1枚でどれくらいの栄養摂取量かご存じですか?

図1

 CKDステージ3、体重50kgの方の場合、1日に摂取できるタンパク質は40gです。夕食に牛肉サーロインステーキ200gを食べてしまうと、タンパク質を35gも摂取することになり、朝と昼は何にも食べられないことになります。またご飯にもタンパク質は含まれていますので、ご飯も食べられません。でも牛肉サーロインステーキ100gだったらタンパク質は17.5gとなり、朝と昼にも少しずつ食べられそうです。
 食事療法は制限すれば良いものではありません。食事療法を無理なく継続していくためには、美味しく食べることも大切ですよ。