腰痛について

2015.03.27

整形外科部長 相良 孝昭

腰痛について

腰痛の原因として脊椎(背骨)からだけでなく、内臓の病気から起る場合があり注意が必要です。
内臓疾患、婦人科疾患、泌尿器科疾患、脈管疾患などの可能性があります。
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代表的な腰痛疾患として表記のような疾患がありますが、これらは腰椎や筋・筋膜性の器質的疾患由来と考えられます。
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慢性腰痛の発生要因としては、骨や靭帯の異常から成る器質的要因のほかに、環境要因や心理的要因があります。
現在では腰痛の原因となっているストレスや心理的要因に対する治療が推奨されています。
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椎間板ヘルニア症とは、椎間板に破綻を来してその一部が神経を圧迫して症状を起こした状態です。厳密な
意味での椎間板ヘルニアは必ず神経根症候を伴います。
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腰部脊柱管狭窄症とは、背骨の中の神経組織が先天的・後天的に圧迫をうけ、歩行障害などの神経症状を呈した状態をいいます。
 主に前方から椎間板の膨隆、後外側から椎間関節と肥厚した黄色靭帯組織より圧迫を受けます。
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若年者に多い腰椎分離症は、椎間関節突起間部の疲労骨折が原因とされています。CTによる検査が有用です。
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骨粗鬆症の定義は「骨粗鬆症とは骨強度の低下によって、骨折しやすくなった状態をいう。骨強度は主として骨密度と骨質により規定される。」とされています。現在骨密度だけでなく、骨質の変化にも注目されるようになりました。
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閉経期からの加齢に伴う骨粗鬆症の進行を視覚的に示しています。ひとつ以上の椎体骨折が大きな臨床的影響を及ぼし、多発性椎体骨折は脊柱の変形(胸椎後弯あるいは脊椎後弯)、身長の低下、慢性的な腰背部痛の原因となり、ADLの低下につながります。
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腰痛治療は保存治療が原則です。その内容として生活指導、理学療法と運動療法、薬物治療や神経ブロックなどでまれに手術療法が適応になります。
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慢性腰痛に対して運動療法が有効であるというエビデンスが強調されていますが、腰痛を改善させる運動方向を見つけて痛くない方向から運動を行い、脊椎の可撓性を得ていくことが重要です。
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腰痛予防にはストレッチ体操が推奨されます。腰を捻る運動を繰り返すことで椎間関節の可動性を増加させ、腰背筋の伸縮性を増します。
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椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に対する手術は神経圧迫の解除を目的とします。脊椎不安定性がある場合には脊椎固定術が適応となる場合があります。
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腰痛の原因を特定できることはむしろ稀であり、現在のガイドラインでは、生物(器質的な問題)・社会(環境的要因)・心理的疼痛症候群であるとされています。治療には多面的なアプローチが必要です。
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腰痛における診断的トリアージとは、まず重篤な疾患の可能性のある腰痛(赤い旗)を除外することが重要です。
 まず整形外科を受診することを勧める意義はここにあります。多くの腰痛は非特異的腰痛(緑の旗)であり、ほとんど自然治癒します。慢性腰痛(黄色の旗)に移行しないようにすることが重要です。慢性腰痛はストレスなどの心理的要因の関与を検討する必要があります。
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