心肺停止と一次救命処置

2015.03.13

救急診療部 赤坂威史

はじめに

心肺停止とは、何らかの原因で心臓も呼吸(肺)も停止し、意識がなくなり、死が目前に迫っている状態です。人間の脳は心臓が停止して血液が流れなくなると、4~5分で回復不可能な障害を受けるといわれていますが、4~5分という時間は、119番に電話して救急車の到着を待っている間に過ぎてしまいます。この救急車を待つ間にみなさんがすべきことが、一次救命処置です。
一次救命処置(BLS:basic life support)

  1. 1.意識の確認と119番通報
    「大丈夫ですか?」「どうしましたか?」など声をかけ、患者さんの肩を優しく叩きます。意識がなければ助けを求め、近くに人がいたら119番通報とAEDを依頼します。自分は救命処置を開始します。 自分しかいないときはなるべく早く119番通報し、救命処置を開始します。
  2. 2.呼吸の確認
    普段通りの呼吸をしているかどうかを確認します。呼吸をしていなければ、直ちに胸骨圧迫を開始します。
  3. 3.胸骨圧迫
    患者さんの胸を押して心臓マッサージを行います。胸を押すおおよその場所は、両方の乳首を結んだ線の真ん中です。てのひらの付け根の固い部分で、少なくとも1分間に100回のリズムで行います。胸骨圧迫の中断は最小限にします。人工呼吸ができる場合は、30:2で人工呼吸を加えます。人工呼吸ができない場合は胸骨圧迫のみ行います。
  4. 4.AED
    AEDが到着したら、患者さんに装着します。AEDは使い方を音声でガイドしますのでガイドの通りに使用してください。

自動体外式除細動器(AED:automated external defibrillator)

一次救命処置

2004年7月より、AEDを用いた除細動という医療行為が一般市民にも認められました。 AEDは電気ショックを心臓に与えて「心室細動」という不整脈を治療する医療器械です。目撃者のある心肺停止の多くが心室細動であり、除細動(心室細動の最も有効な治療)が1分遅れると、その生存退院率が10%低下するというデータがあります。このように、除細動は早く行えば行うほど有効なので、救急車が来る前にできるだけ早く除細動を行うため、市民の皆さんにAEDの使用が認められました。今日、AEDは公共の場などに普及が進んでいて、目にされることも多いかと思います。万が一、心肺蘇生の現場に遭遇したら迷わずAEDを使用してください。