塩分と高血圧

2015.03.16

循環器内科 池田武士 森上靖洋

高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)によると現在日本人の高血圧人口は約4300万人と推定されています。高血圧は脳卒中、心臓病、腎臓病等の全身疾患の強力な原因疾患です。JSH 2014による高血圧管理の対象は140/90mmHg以上の高血圧患者であり、脳卒中、心臓病や、腎不全発症リスクが高い病態である糖尿病、蛋白尿陽性の慢性腎臓病(CKD)を合併した患者にはもっと厳しく130/80mmg以上が対象です。またメタボリックシンドローム合併例では130-139/85-89mmHgの正常高値血圧患者も生活習慣修正の対象となります。さらに正常の血圧者においても減塩、肥満是正、運動等の生活習慣修正による高血圧発症予防が大切です。
高血圧治療
血圧の定義は診察室血圧で上の(収縮期血圧)140mmHgまたは/かつ下の(拡張期血圧) 90mmHg以上が高血圧と診断されます。
高血圧治療
2010年国民健康・栄養調査によると30歳以上の日本人男性の60%、女性の45%が高血圧(収縮期血圧140mmHgまたは拡張期血圧90mmHg)です。つまり30歳以上の半分に1人が高血圧です。
高血圧治療
また、近年家庭で測定される人が増え今回高血圧ガイドライン2014年では1回の血圧測定で2回測定しその平均血圧が135/85mmHg以上が高血圧の基準となっています。
高血圧治療
高血圧の原因は明確な原因が不明である本態性高血圧が90%以上です。食塩のとりすぎ、加齢による血管の老化、ストレス、過労、運動不足、肥満、そして遺伝的要因などがあげられます。しかしながら塩分摂取が強い影響があるとされています。日本人の塩分摂取量は近年減ってきていますが世界的にみても多く平均して一日約10g/日摂取されているとされます。
塩分摂取量
塩分を多量にとると細胞内のNa濃度が上昇しまた細胞内濃度を一定に保つために、水分を細胞に引き寄せる働きをします。血液量が膨らみまた血管内の圧力が上昇し血圧が上昇するとされます。また腎臓に負荷がかかりホルモンバランスを崩すことが血圧上昇の一因とされます。
そのため高血圧患者には厳格な減塩が必要とされます。
塩分摂取量
高血圧が長期に持続することで脳卒中や心筋梗塞等の心血管疾患、また腎臓病のリスクが高くなるとされています。
高血圧
そのため一般的な高血圧の治療目標は降圧目標は140/90mmHg未満ですが、様々な合併症を持っている方には厳しく糖尿病,蛋白尿陽性の慢性腎臓病患者では130/80mmHg以上が治療の対象で,降圧目標は130/80mmHg未満とされます。また75歳以上の後期高齢者は150/90mmHg未満を降圧目標とし,忍容性があれば140/90mmHg未満が目標です。
高血圧
日本人の成人に勧められている1日の塩分摂取の目標値は、男性10g未満、女性8g未満、しかしながら高血圧患者ではもっと厳しくJSH2014では6g未満を目標とされています。その他に血圧を下げるには果物の摂取や適切な有酸素運動、禁煙、節酒等があげられます。
高血圧
塩分を減らすポイントとしては一般的になりますが外食を減らしまた醤油に塩分量が多く含まれておりかけずに必要量つけて食べる等の心がけが必要です。また柑橘系の代替となる香辛料も有効とされます。またカリウムはナトリウムを排出する作用があり野菜や果物等の摂取も大事なことです。しかし腎臓病を患っている方はカリウム制限が必要でありかかりつけ医に相談ください。
高血圧
余談になりますが
加工食品にはNa表記のものもありますが塩分量としてはそれに2.5をかけたもの 2gならば2.5倍して5gであることに注意ください。
塩分量
最後に減塩や生活是正でも血圧が高い場合薬物等での治療が必要であり一度医療機関に相談頂ければ幸いです。
高血圧