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乳腺内分泌外科

ごあいさつ

診療部長 西村令喜

 いま全国で年間4万人以上の方が乳がんに罹患し、亡くなられる方は年間1万人ほどおられます。しかしきちんとした治療をすれば乳癌は予後のよい疾患です。リンパ節に転移がなければ10年生存率は90%を超えています。
 乳癌の特徴は、好発年齢が40代、50代と他のがんに比べて若いこと、そして全般的に予後が良いことです。患者さんの多くは、これからの人生の中で子供さんを育てたり、親の面倒もみなくてはいけないこともあります。さらにホルモン状況でも更年期障害と重なる年代でもあります。そのため、家族構成や生活状況を総体的にとらえて、患者さんに合った治療を組み立てていかなければなりません。乳癌の患者さんはよく勉強されるし知識も豊富で一生懸命です。家族も真剣です。それらに応えるためには人手も時間もかかります。医師だけではなく、看護師、薬剤師、検査技師、栄養士、ケースワーカーたちがチームを組んでサポートする態勢がないと、乳がんの治療はできにくくなっています。近年、乳腺外科の標榜が厚生労働省より認められ、独立した診療科として社会的に広く認知されるようになりました。
 当院におきましては乳腺内分泌外科が主に乳がんの治療を担当しています。年間400例近くの患者さんの治療を行っています。患者さん方の満足度を高めるべく皆で頑張っています。

診療の特徴・特色

 日本では女性の23人に1人が乳がんになるといわれています。増加する死亡率低下にはマンモグラフィによる乳がん検診の普及と術後に行う治療の標準化と考えられています。乳がんの研究は世界中で最も進んでおり、常に多くの新しいデータが発信されています。また、治療は世界に同じ基準で行われており、常に進歩しておくことが求められています。

診断

 マンモグラフィ検診後精密検査に対応していますが、マンモグラフィ読影認定医が診断し、マンモトームも積極的に行っています。細胞診診断の正確さ、迅速さはもとより、がんの性格などの詳細な診断に際してはコア・ニードル生検を行っています。

手術

 熊本県下最多の乳がん手術例数315例(2008年)で、温存手術は70%以上に行われています。大きなしこりの場合は手術前にホルモン治療や化学療法を行い、しこりの縮小の後に温存手術を行っています。もちろんセンチネルリンパ節生検も実施しています。

手術後の結果説明と治療法

 手術後の病理結果および生物学的特性は約1週間で判明し、術後の治療方針について相談します。

その他

 チーム医療としての取り組みにつとめています。また、新しい治療法の開発のために多くの臨床試験や治験を積極的に行っています。 さらに、乳がん患者の会"肥後ほほえみの会"が発足しました。定期的な乳がんの情報伝達を新聞という形で行っており、勉強会も行っています。

 乳がんは早期に見つけて治療をすれば、完治できるがんで、早期発見が最も重要です。そのためにもマンモグラフィ検診を受けましょう。また、乳がんの知識を多く取り入れ、一緒に乳がんに立ち向かっていきましょう。なお、最近の手術後成績は年々改善しており、5年生存率は全例で91%となっています。(図1)
 さらに再発後の生存期間も以前に比べ明らかに長くなっています。(図2)

医療機関の認定

  • 日本乳がん学会認定施設

外来担当医師及び週間予定

曜日
 午前午後午前午後午前午後午前午後午前午後
診察西村
奥村
 (手術)西村西村
大佐古
大佐古大佐古西村
大佐古
(手術)西村
奥村
超音波検査
(要予約)
  担当医   担当医担当医

*(火・木・金)の午後診察は特診予約のみ

スタッフの紹介

名前役職卒業年度専門分野
西村令喜診療部長S.51日本乳癌学会理事・専門医
日本外科学会指導医
日本乳癌学会評議員
日本臨床外科学会評議員
日本乳癌検診学会評議員
九州外科学会評議員
検診マンモグラフィ読影認定医
日本がん治療認定医
熊本大学医学部臨床教授
大佐古智文医長H.1日本外科学会専門医
日本消化器外科学会認定医
日本外科学会専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本がん治療認定医
日本緩和医療学会暫定指導医
奥村恭博医員H.10日本外科学会専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本乳癌学会認定医
林 光博医員補H.17検診マンモグラフィ読影認定医

図1.

図1. 乳癌手術後の累積健存率および生存率の比較

 1989年からの症例を1998年以前(前期)、1999年以降(後期)で分けて手術後の成績を比較してみますと、5年健存率で前期:79%が後期:86%と改善していました。また、生存率も86%が後期で91%と良好でありました。各Stage分類別では昨年の本項目で示しましたが、全てのStageで、とくにStage3、4例で改善していました。このように、ここ10年で、手術後の成績は明らかに改善していました。

図2.

図2. 再発後の成績は改善しているか?

 再発後の生存率を1999年以降と以前で分けて検討しました。再発後5年時点での生存率は前期で25%でありましたが、後期では33%と改善していました。