院長ご挨拶

熊本市病院事業管理者(熊本市民病院長事務取扱) 髙田 明

熊本市病院事業管理者(熊本市民病院長事務取扱)
髙田 明


 昨年の熊本地震から1年が経ちました。未曾有の大地震を経験し、怒濤の日々を送ったことが、昔のようにも、ついこの間のようにも思い出されます。当院の被災に際しましては、皆様方から多大なご支援・ご協力をいただきましたことに、改めまして御礼申し上げます。大西市長は今年を復興元年と言っており、熊本市においては様々な取り組みを行っているところですが、熊本市民病院も病院再建に向け着実に計画を進めております。
 当院は二度の地震により甚大な被害を受け診療の継続が困難となり入院患者310名全員の退院・転院を行いました。多数の入院患者の転院が短時間で無事に終わることができたのは、従来から構築されていた熊本の良好な医療連携の基盤があったからこそと考えています。この時には多くの医療機関のご協力をいただき、この場をお借りしまして改めて感謝申し上げます。
 被災後は当院での診療が極めて制限されたこともありまして、各医療機関への診療支援(医師、看護師、医療技術職の派遣)、避難所での医療救護活動、深部静脈血栓症対策チーム、感染対策チーム、口腔ケアチーム、リハビリチーム、褥瘡ケアチームなどの避難所巡回、熊本市保健医療救護調整本部(市内の避難所の統括)の運営などに携わってまいりました。また市の職員であることから、多くのスタッフが避難所での業務や、市・区役所への震災関連業務(一部は現在も継続中)を担いました。特に看護師の25カ所の拠点避難所派遣(2人体制の24時間2交替)においては、避難所の環境改善や感染対策、避難者への寄り添い・傾聴など、看護師として大きな役割を果たせたと考えています。またみなし住宅の全世帯訪問にも当院の看護師が中心的に関与しており、きめ細かい対応や配慮がなされ、マスコミにも紹介されたところです。
 平成28年5月に、大西一史市長より東区東町への移転新築の発表がなされ、有識者による『熊本市民病院の再建に向けた懇談会』や『公共施設マネジメント調査特別委員会』などの審議を経て、新病院の基本方針を9月にまとめました。
 そこで下の3つの基本方針を掲げました。
  ① 市民の生命と健康を守る自治体病院としての役割を発揮します
  ② 地域医療を支える公立病院としての使命をはたします
  ③ 質の高い医療サービスを持続安定的に提供します
 新病院では、診療科は従来の34科から28科、病床数は556床から392床(一般病床380床、感染症病床12床)となる予定です。平成29年3月24日には、大林組・久米設計を中心とする建設協同企業体の選定、3月31日には東町の国有財産売買締結を行い、4月から基本設計の作業を行っているところです。新病院は免震構造で地上6階建て、屋上にヘリポートを配置し災害に強い病院となります。平成31年6月末に病院は完成し秋には開院を予定しています。タイトなスケジュールではありますが、20年、30年先を見越して患者さんにとって利便性が高く、機能性に優れたすばらしい病院づくりを目指して最大限の努力をして参ります。
 診療においては新館の一部を改装し、25診療科での外来、また入院は3階の新生児NICU(9床)・GCU(5床)病棟、5階の一般病棟(10床)、合計24床と、1手術室で診療を継続しております。手術を行っている主な診療科は、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、歯科・口腔外科、皮膚科などです。
 被災後、当院では多くの医師の異動もございました。またこの4月から新しい医師の赴任もありましたので、現在の診療状況をホームページ上に更新しております。各科の診療内容を詳しく記載しておりますので、患者さんの受診はもちろん、医療機関からのお問い合わせやご紹介などしていただく際の参考にしていただければ幸いです。
 現在当院では限られた診療しかできませんので、新病院で従事する医療者の確保、医療の先端技術の習得などを目的に、多くの看護師、医療技術職を他病院へ派遣し臨床研修を行っております。
復興ひごまる(がんばろう!熊本)

復興ひごまる


 今後も地域医療に貢献できるよう、職員一丸となって努めて参りたいと思います。さらに一刻も早い新病院開院を目指して鋭意取り組んで参りますので、皆様のご理解ご協力をよろしくお願い申し上げます。

(平成29年6月)